内容説明
長いあいだ行方不明だった変わり者の伯父さんから、ある日突然、甥のところに手紙が届きます―手紙は古いタイプライターで打たれていて、誤字脱字だらけ、おまけに絵がふんだんに入っています。そして、そこで語られるのは、探検家の伯父さんとその家来である「亀犬」ジャクスンの脱線コンビが「白いライオン」を追跡して北極を舞台に繰り広げる、ほらふき男爵も顔負けの奇妙奇天烈、奇想天外な冒険譚にほかなりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
41
これも『米澤屋書店』で気になった本。行方不明の伯父さんがいたのは、なんと北極!ジャクスンという亀犬(って生き物知らんがな💦)とともに白ライオンを追って冒険中。これが、140ページほどの短いお話だけど、『ヒトコブラクダ層ぜっと』の冒険に負けずとも劣らない不思議な不思議なファンタジー(?)。ジャクソンのいじらしさがほほえましい。2022/05/26
りー
41
今までこの本を知らずにいたなんて、なんたるあぶらこった!これは老若男女、読書家非読書家を問わず万人が楽しめる一冊かもしれない。行方不明になったヘンテコな叔父さんの眉唾ものの冒険譚と、そこに添えられた意外にも上手な鉛筆画、コーヒーの染み、指紋跡、タイプミス。どこをどんな角度で眺めても楽しいじゃあないか。しかしこれを原文で読めないのは残念でならない。いったいなにをどう訳したらこんな日本語になるんだろう。ああ、あぶらあぶら。2014/02/18
たぬ
30
☆3.5 ゴーメンガーストで知られるマーヴィン・ピークがこんなのを書いていたとは。白いライオンが見たくてたまらない冒険家の伯父から届く絵手紙のテイで進行。絵が巧いなー特に95頁の鳥のはばたき!と感心してたらそれもそのはず、ちゃんと学校で学んでいたのだった。こういうタイプの本を翻訳して出すのはフォントのチョイスからデザインにレイアウトに装丁とかなり苦労が多そう。黒人の扱いに1948年刊という時代を感じる。2023/07/28
小夜風
25
【図書館】白いライオンを探しに行ったきり行方不明になっている伯父さんから、甥に届いた手紙。古いタイプライターとたくさんの絵で、何か帳面に綴られているらしいのですが、誤字脱字だらけの染みだらけ(笑)。そもそもこの伯父さんに本当に甥がいるのかどうかも怪しくて、何となく「ほらふき男爵」みたいなものかな~って思いました。一角獣の角で作った義足が何気に便利で感心しました。2015/12/11
nbhd
19
これは楽しい本。解説では「亀犬」と紹介されている伯父さんの相棒ジャクスンはカメにしか見えないんだけど…(犬の要素はいずこ?)。訳者の横山さんの字体が、そのまんまヘンテコな伯父さんのっぽい、絶妙な粗さと伯父さんっぽさ。2014/08/31