内容説明
母親は井戸に飛びこみ、祖父は自分を殺そうとする。寒村に生きる少年の目に鮮やかに映しだされる、現実と未分化なもう一つの世界。ラテンアメリカの魔術的空間に、少年期の幻想と悲痛な叫びが炸裂する!『めくるめく世界』『夜になるまえに』のアレナスが、さまざまな手法を駆使して作りだした「ペンタゴニア(5つの苦悩)」の第1部。
著者等紹介
アレナス,レイナルド[アレナス,レイナルド][Arenas,Reinaldo]
1943年キューバの寒村に生まれる。65年『夜明け前のセレスティーノ』が作家芸術家協会のコンクールで一席となりデビュー。第2作『めくるめく世界』(66)以後、国内での出版は認められなくなるが、68年には同書が仏メディシス賞を受賞し、海外での評価が急速に高まる。国内での性的・政治的抑圧を逃れ、80年難民の一人としてアメリカに亡命する。90年ニューヨークにて自死
安藤哲行[アンドウテツユキ]
一九四八年、岐阜県生まれ。神戸市外国語大学修士課程修了。現在、摂南大学教授
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