Contemporary writers<br> オレンジだけが果物じゃない

Contemporary writers
オレンジだけが果物じゃない

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  • サイズ A6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336039620
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

たいていの人がそうであるように、わたしもまた長い年月を父と母とともに過ごした。父は格闘技を観るのが好きで、母は格闘するのが好きだった…。熱烈なキリスト教徒の母親から、伝道師になるための厳しい教育を叩き込まれた少女ジャネット。幼いころから聖書に通じ、世界のすべては神の教えに基づいて成りたっていると信じていた彼女だが、ひとりの女性に恋したことからその運命が一転する…。『さくらんぼの性は』の著者が、現代に生きる女性の葛藤を、豊かな創造力と快活な諷刺を駆使して紡ぎ出した半自伝的作品。

著者等紹介

ウィンターソン,ジャネット[ウィンターソン,ジャネット][Winterson,Jeanette]
1959年、イギリスのランカシャーに生まれる。現在ロンドン在住。85年に出版した『オレンジだけが果物じゃない』で、その年の最も優れた処女作に与えられるホイットブレッド賞を受賞し、さらにBBCでドラマ化されて一躍脚光を浴びた。その後、1989年『さくらんぼの性は』でE・M・フォスター賞を受賞。現代イギリスを代表する女性作家として、広く認められるようになる

岸本佐知子[キシモトサチコ]
1960年、神奈川県生まれ。上智大学文学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

98
【図書館本】著者の自伝的小説。 イギリスの田舎町で熱狂的キリスト教信者の養母の下、伝道師となる英才教育を施されるジャネット。幼い彼女には教会と母がすべてだった。歪んだ小さな平和はしかし、彼女が女性に恋をすることで崩壊を迎える。 暗いテーマだが、少女の成長小説とも読める本書のなんとなく明るい感じは、洗脳の中で彼女がその世界を風刺的に見て、確固たる自分の意志で道行きを決めている点。間に唐突に挟まれる妄想的物語が彼女を救っていたのだろうし、読みながらその強さにこちらまで救われ、物語というものの力を感じさせる。2018/04/26

NAO

76
狂信的なで断固とした母親に伝道師になるべく育てられたジャネット。あまりにも強い意思を持った母親、個人の意思を認めようとしないカルト的な宗教。そういった環境で育った子どもの苦悩や葛藤が描かれていくのかと思いきや、話は同性愛の方へと流れていって、なんだかまとまりがないような印象を受けた。2019/10/23

ゆのん

69
【ガーディアン必読1000冊】著者の生い立ちを土台にした半自伝的小説。熱烈なキリスト教徒の母親から伝道師になるための厳しい教育を叩き込まれた少女。神の教えが全てだと信じていたが一人の女性に恋した事から運命が一転する。信仰ゆえに幼い頃から疎外感を感じるが、神と母親への純粋な愛が勝る姿が痛々しくも美しく思える。反面、同じように愛される事を求めていた様に感じる。途中のエピソードやラストの再開を読むと歪んではいるものの母親の娘への愛情が感じられたのが救い。所々の挿話も物語を理解し易くなっていて良かった。2312020/10/14

マリリン

50
8つのストーリーを境界が曖昧な愛おしくなる生で紡いだ物語は、不思議な魅力がある。宗教的な記述はダンテの「神曲」が脳裏をよぎる。内容は重いものの、著者のありのままの姿や思考をユーモアを交え変幻自在に織り込んだ物語に惹かれる。特に最終章「ルツ記」は心に沁みた。どうしても馴染めない世界はある。普通って? その枠に入れないと...。生き方は多様であっていい。人との出会いは大切。許容し合える関係は生きる糧となる。同じものを同じように見ていることはなくても、近しい感覚で見る事ができたら...そう思える作品だった。2022/02/28

こばまり

47
ドラマティックな物語だがこれが半自伝的、しかも処女作なのだそうだ。なんという濃密さ。示唆に富み教訓に満ちたフレーズの数々が楽しいです。優しいおばさんに厄介なおばさん。英国のいろんなおばさんが出てくるおばさん小説だと思いました。2014/10/02

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