文学の冒険
リトル、ビッグ〈2〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A6判/ページ数 372p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336035813
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

作家を夢見て、「エッジウッド」を捨てシティへ旅立ったオーベロンは、美しいプエルトリコの娘シルヴィーと恋に落ちた。しかし、ある日シルヴィーはオーベロンの前から忽然と姿を消してしまう。シルヴィーを捜し求めてさまよい歩くうちに、いつしかオーベロンの足は「エッジウッド」へと向かっていた―。一方、800年の眠りから目覚めた神聖ローマ帝国皇帝フレデリック・バルバロッサが新大統領に就任すると、人間と妖精の世界の境界が密かに揺らぎはじめた…。繊細な筆致と清冽な描写によって織りなされる豊潤な物語世界。各界から絶賛を浴びたファンタジーの最高傑作。世界幻想文学大賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

志ん魚

8
上巻読了時にはここまでとは思わなかった。なんだかすごく長い旅をしていたような気もするし、ほんの一瞬夢を見ていただけのような気もする。あるいは宇宙の果てに向かって進んでいたつもりが、実は自分の意識の中へ中へと進んでいたかような酩酊感。いや、けっして夢オチとかではないのだが、それすらもメタに内包した物語とは言えるかもしれない。自分の感想を正直に言葉にするなら、「正しく読み始める」ことも「正しく読み進める」ことも「正しく読み終える」ことも不可能な本って感じだ。2011/06/21

pyoko45

6
たとえば「せつなさ」と端的に言い表すと、その気持ちはわずか4文字の想いにしぼんでしまうだろう。同様に、世界の成り立ちを端的に語り尽くしせば、世界はわずか数十、数百文字の中におさまる矮小なものとなるだろう。直截的に語られないことのもどかしさも確かにあるが、読者の想像力によって世界は大きくもなれば小さくもなるし、時間の流れだって遡ることができる。そして読み終えてからほんとうの物語が始まる、そんなお話。正直のところ十分に理解できたとは云えないがなんだか途轍もない何かを読み終えた感覚だけがいつまでも残り続けた。2013/09/21

ねむ

4
下巻になってファンタジイ色が強くなったけど、あくまで「彼ら」は見えない形で語られる。スモーキィとアリス、オーベロンとシルビィのラブストーリーとしての線はなんとか追えたけど、エイゲンブリックとホークスキルの絡みはどうにも意味を取りきれなかった。アーサー王とルイス・キャロル的な要素は気がついたけど、ほかにもいっぱい仕込んでありそう。とてもじゃないけど一読では読み切れない大作。2020/10/25

AR読書記録

3
うぬぬ、一度ではとても全貌を把握できない。タイトルの「リトル、ビッグ」だけじゃなく、多くの対立軸がある。都会と田舎、男と女、中心と周辺、生と死、出会いと別れ... でもそれらは“対立”ではなく、ものごとの裏表というか、越境、逆転の可能性を持っている。ここではその媒介となる特別な一族がいて、たしかにファンタジーの体裁を持っている(といっていいのかな)けれど、現実の世界の見方においても、こうした感覚はあるといいんじゃないのかな、ということを思った。この本の感想になってるかアレだけと。2015/09/26

ろびん

2
めでたしめでたし。2019/11/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/27463
  • ご注意事項

最近チェックした商品