感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
69
「望樹記」は蔑まれても生命力が強いとねりこへの敬意の籠った作品。木に対して真摯に向き合う作者の姿はいじましい。「新浦島」は浦島太郎100代目、次郎の悲喜劇。生真面目だが、次第に怠け癖が出始め、楽して長寿・裕福になる為に魔道を収めんとする次郎を「仙道も収めずに魔道のみを求めるとは何たる痴れ者!第一、皆が有難く、拝む事柄は魔道と裏表同じなのが分からんのか!」と斜め上に𠮟りつける尊天の描写は最早、コメディです。そして「新浦島」にて作者の別作品が不敬としてこき下ろされるというメタ描写に笑ってしまったのでした。2022/01/13
じゃくお
2
幻想文学と言っておきながらそうでないものがちらほら。望樹記は幻想文学じゃないよね。気に入ったのは[新浦島]。100代目浦島次郎だとかいう設定の必要性はわからないけど後半の昔話テイストは好みです。2016/02/26