文学の冒険<br> 重力の虹〈1〉

文学の冒険
重力の虹〈1〉

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  • サイズ B6判/ページ数 491p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336030573
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

キーンという音が大空をよぎる。V2ロケットの来襲だ。第2次世界大戦も末期のロンドン、アメリカ軍中尉タイローン・スロースロップは、ドイツ軍の猛爆撃もなんのその、ガールハントに余念がない。ところが、彼の行動をひそかに監視している者がいる。彼らの調査によれば、スロースロップが女とセックスした場所へ、後刻、必ずV2ロケットが落ちるというのだ。スロースロップの勃起とロケットの軌跡は果たして関連があるのか?この現象をめぐって当局の研究室で議論される途方もない仮設の数々と、次第に明らかにされるスロースロップの出生の秘密。舞台はロンドンからリヴィエラ、チューリヒ、さらに連合軍占領下のドイツへと移り、巨大な見えざる手に翻弄されるスロースロップのさすらいの旅が始まる。脱線に次ぐ脱線、錯綜する人間関係、時間と空間を越え展開する物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

70
20世紀の文学はメルヴィル『白鯨』ジョイス『フィネガンズ…』プルースト『失われた時…』マルケス『百年の孤独』などを意識しないわけにいかない。トルストイやドストエフスキー、フロベールらは前提として。文学は如何なる存在であるべきか。徹底して純粋なる世界を志向するか、個別の風俗的矛盾を露見させようとするか。それとも、現下の世界のあらゆる事象を意識し、文学は無論 哲学科学経済技術軍事文化など、あらゆる文献論考を踏まえ、取り込み、全体を無謀なまでに意識せんとするか。2021/07/04

山口透析鉄

23
当時住んでいた市(多摩地区)の図書館本の無償お下がり(借りる人がいない本の処分)を入手して、読みました。 ただ、さすがに正真正銘の上級者向け小説ですので、どこまで当時、理解できたか、甚だ疑問で……詳細な註釈付きの新訳も出ていますので、そちらで再読すべきでしょうね。 研究が多いというのも頷ける作品ではあります。2008/12/06

春ドーナツ

18
5年前に新潮社版を図書館で借りて読んだ。いつだったか通販サイトの顧客の批評で「本書を4回通読した」という一文を目にした。私の中で強く記憶される。新情報は今年の春先か? 「国書刊行会版は註釈が無い」らしい。ふうむ。このとき「ユリシーズ」にまつわる私的騒動を思い出した。今回は古書店から取り寄せた。図書館本だと「なんか、あせる」。期限を振り払うのだ(重力からの解放)。ピンチョンの手強さは再読でも変わりはないけれど、ちょっと心に余裕が生まれる(うれしい)。訳注がないので文章に集中できる(やっぱリズムって大切)。2020/11/24

チェ・ブンブン

16
「裸のランチ」にもっとストーリー性を与えた作品。どう考えても、V2ロケットの落下がセックス完了のシンボルとなっている。ミサイルが人々を殺すから危ない。だからスロースロープを監視しようと言うよりも、どうやったら色男になれるんだろうとストーカーする話にみえてくる。そして、作者の知識をひけらかしまくりセックスについて綴っていく。テンション高い時に読むと解読出来る難書と言えよう。下巻が楽しみだ。2013/08/26

もっさん

9
言語明瞭意味不明瞭。全く内容が入って来なかった。登場人物もスロースロップ以外は誰も覚えてない。スロースロップが作中でどんな行動をしていたのかも覚えてない。読むというより、ページをめくる作業をただこなしているだけだった2013/10/12

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