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バベルの図書館
パラケルススの薔薇

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  • サイズ A5判/ページ数 174p/高さ 23X13cm
  • 商品コード 9784336030429
  • NDC分類 963
  • Cコード C0397

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

62
表題作を含めて4つの物語からなる短篇集。驚くことに、序文によればこれはボルヘス80歳の作品であるそうな。作家本人は『疲れた男のユートピア』を「最良の1作」としているらしいが、ボルヘスらしい味わいという点では、やはり表題作『パラケルススの薔薇』だろう。どこかゾロアスターの火を思わせるような物語なのだが、末尾の1文はまさに魔法そのものだ。また、巻頭に置かれた『1983年8月25日』は、一種、東洋的な夢幻の情趣に包まれるような物語。ドッペルゲンガーが描かれているが、恐怖感よりは惚けたような風情が感じられるのだ。2013/03/07

燃えつきた棒

44
鼓先生には申し訳ないが、僕には本書所収の四つの短編よりも、巻末のインタヴュー「等身大のボルヘス」の方が、作家自身の自作に対する評価や、好みの作家などが分かって興味深かった。 ボルヘスが分かるには、僕には絶対的な読書量が不足しているのかも知れない。2019/09/20

内島菫

32
「本巻はボルヘス自身にとっても驚きとなるであろう。というのも、私が≪バベルの図書館≫の館長の特権を奪って、同氏の名を叢書のなかにすべり込ませたからである」というフランコ・マリーア・リッチの序文も、ボルヘスしている。「一九八三年八月二十五日」は、レオ・ペルッツの「一九一六年十月十二日火曜日」とタイトルが同じタイプであるだけでなく、その日付にすべてが永遠に閉じ込められているという点でも共通する。またもちろん、ボルヘス自身の「他者」も髣髴とさせる。2018/07/24

藤月はな(灯れ松明の火)

28
バベルの図書館はボルヘス編纂だが今巻はそのボルヘスの作品自体が対象になっているというメタ的な豪華さに眩暈がします(笑)収録されている作品はボルヘスを「神」の視点で捉えたものでもあり、物語に登場してくるボルヘスと思われる人物はボルヘスでもあり、ボルヘス自身ではないという矛盾を孕んだ存在でもある。ボルヘスのインタヴューも収録されており、等身大のボルヘスを知ることができ、さらに作品への眩惑性を強める装置にもなっているように感じました。2012/12/07

棕櫚木庵

23
ネット上で紹介していただき,ボルヘス・パラケルスス・薔薇という取り合わせに興味を惹かれて借りてみた.4短篇を収めるが,全体の半分程度.残り半分は,編者の序文,ボルヘスへのインタヴュー(1973),年譜,書誌.なるほど,ボルヘス編「バベルの図書館」叢書の“別巻”という位置付け.▼ボルヘスが様々な物語を編纂した本は楽しく読んでいるし,その短編も,ボルヘスの名を初めて知った「円環の廃墟」に衝撃を受けたのだけど,でも,なんだかよく分からないという感じがすることも多い.→2022/07/12

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