太陽の帝国

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太陽の帝国

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  • サイズ B6判/ページ数 454p/高さ 19X14cm
  • 商品コード 9784336024428
  • NDC分類 933

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

214
第二次世界大戦下の上海を舞台に イギリスの少年ジムの視点で 日本の上海侵略から終戦までを描く。捕虜収容所で著者が見たことを綴った物語らしく、スピルバーグの映画の原作である。 物語はジムの独白が感情を抑えながら延々と続く..戦争の残虐さを描くわけでもなく、ひたすら 心象風景が中心で、物語の中で、ジム以外の人物の顔が あまり見えてこないのは 著者の意図なのだろうか?頻出する「戦争は終わったの」という問いが捕虜の人たちの真情を吐露している、上海租界の当時の英国人の心境がゆったりと現代に伝わる、そんな本だった。2017/06/06

扉のこちら側

85
初読。2015年1161冊め。【83/G1000】上海在住の英国人少年から見た、真珠湾攻撃から終戦へと向かう時代の流れ。作者の自伝的小説とのこと。SF作家らしい淡々とした描写で、主人公の感情表現も薄く、戦争の悲惨さを強調して感じさせるような作品ではない。「日本が攻撃されると、日本軍の捕虜となっている自分達の待遇が悪くなるからやめてほしい」というような箇所は、やはり実際に捕虜になった経験がある作家ならではと思った。2015/11/27

NAO

64
真珠湾攻撃前後の上海。収容所に入れられていても、まだ子どもであるジムには、倫理観、愛国心というものがあまりない。強い日本の飛行機に憧れ、自由にふるまうアメリカ人の無頼漢たちの手下として働くことに楽しさを感じている子ども独特の感覚が、リアルに、象徴的に描かれていて、なかなか興味深い。ジムが見た上海は、現実の世界のようでもあり、微妙に違う彼が作り上げた世界のようでもある。当てにならない子どもの目から見た上海、この荒廃した摩訶不思議な上海は、彼がSFの世界でよく描く黙示録的な世界の原点ともいえるようだ。2017/11/13

藤月はな(灯れ松明の火)

39
真珠湾攻撃前は英国兵を尊敬し、植民地先の中国人を馬鹿にしていた上海育ちのジェフ。ところが真珠湾攻撃でアメリカが大打撃を受けてから全てが一転してしまう。かつて叩いていた中国人から殴られ、かつての家は強奪に遭い、収容所で日本人に媚を売り、同国人を監視するようになるジェフに対し、宣教師や同国人は冷ややかな目を向ける。生き延びるためにかつて持っていた誇りを捨てなければならない。しかし、死からは逃れられないことは、干からびたプールや乾いた道路、遠くに見えた原爆投下によるキノコ雲などが死の匂いを際立たせることで分かる2015/01/14

MATHILDA&LEON

30
第二次世界大戦中に上海で生まれ育ったジムという少年の、戦争を生き抜く物語。戦争なんてものがどれだけ民衆の心と身体を壊して行くのかが、痛いほどに染みてくる。戦争の意味ってなんなんだろう。深い深い悲しみと憤りを感じました。2019/01/07

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