読書空間の近代―方法としての柳田国男

読書空間の近代―方法としての柳田国男

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  • サイズ B6判/ページ数 323p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784335550355
  • NDC分類 380.1
  • Cコード C1036

内容説明

日本近代と方法的に対峙した「知」の考古学的再検討。柳田国男、M.エンデ、書物の思想史を縦横に論ずる。

目次

方法への回帰―柳田国男の老い
「近代」の意識化―遡及する方法の課題として
敗戦の解明―柳田国男の日本近代
「読書童子」の宇宙―書物倉のトポロジー(書物の集積;引用関係と感覚の中心;索引の思想;無文字の位相;犯罪調書を読む;書物の政治)
遍歴する読者たち―『はてしない物語』のしくみ
メディアの近代―グーテンベルクの銀河系とともに
読者の批判力―「常民」論再読
そしてわれわれのもとに―限界芸術としての読書

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

16
冒頭、柳田国男最後の日々の、佐藤によるポジティブな読み替えが感動的。訪れた中野重治や桑原武夫が、尊敬するが故にいたたまれず、悲しくなったという認知症の柳田の同じ問いの繰り返し。佐藤はそれを強烈な知性の根源の問いだ!とし、そこから柳田の「問いを作る方法」へと迫ってゆくのだ。「読書童子」、獰猛な読者、自身に対する最大の批評者、と、柳田を指した言葉はどれもワクワクしてくるもの。彼にとって日本は信じる相手ではなく知るべき対象!この姿勢、活字中毒たる僕らの目指すべき目標だと感じた。2013/06/10

うえ

7
読書論の最高峰。「「民主主義」とは、一面でことばの力への無限定な信頼に根ざした「よく口のきける少しの人」たちの理念であり、ことばのエリートたちの民主主義だった。正しいことが声高に語られればそれが力だという、どこか生産力理論に似た観念を潜在させた、いわば名詞形の「民主主義」であり、そこではたとえば「少数の語っている人と、多数の沈黙する人がいることは問われなかったし、そうである限りまた伝えたことと伝わったことは予定調和的に合致するものと見なされた」」2017/09/11

3
本の黙読が普及したのがつい最近ののことであるということには驚きを禁じ得なかった。また、非文字社会の人間が、文字社会の人間より遥かに記憶がいいという事実には、考えさせるものがある。2015/06/28

赤坂サラザン

3
冒頭で引用された柳田国男の認知症のエピソードが衝撃的。繰り返される同じフレーズから柳田式記憶術→“知”の構築方法が見えるとして、様々な視点から日本の近代や現在を読み解いています。論文という特質上難解な部分も多いけれど、全ての各頁に設けられた要約の意となる小見出しに随分助けられ、そこに著者の伝えたいという熱意を感じました。2013/12/28

iwasabi47

2
面白い。感想はまた。続編へ。2020/12/14

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