内容説明
電気のいらない照明?臓器移植はできる?東京←→大阪を1時間で?人工冬眠で不老長寿?機械が経営する時代?台風・地震の制御は?電話はポケットに入る?半世紀前の21世紀未来予測は実現しているのか―
目次
第1章 原子力時代は花ざかり
第2章 人間の代用品量産に入る
第3章 長命の退屈―二一世紀の医学
第4章 台風と地震の制御
第5章 都市と農村の握手
第6章 性と眠りのコントロール
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすお
9
1960年(昭和35年)に2000年の科学技術を予想した本。1960年に出版されたものを2013年に復刻した。この本の価値は当時の科学技術のロードマップを知ることだ。第1部では原子力の活用にかなり夢を抱いている。当時の政策としては妥当なところだと思うが、現在では(将来でも)実現しないものだろう。また、都市開発については突飛な感じもするが、理にかなっている気がした。これが日本列島改造論につながっていけば、国土の効率利用がなされたかもしれない。あくまでも論理的なことで、感情論的には反対も多いだろうけどね。2023/10/26
がんぞ
6
1960年(東京オリンピック開催決定直後)に出版された、のを平成25年(2013年)復刊に際して当時・科学技術庁長官であった中曽根康弘元総理が序文を寄せ、『原子力基本法』について触れている(事故への反省なく)。エネルギー資源の石炭から石油への転換がようやく本格化した(東海道線から蒸気→電化が始まったばかり)時期に早速も自給できず大量備蓄が困難な石油より、備蓄が可能なウラニウム、さらに《核融合》←重水素の資源化、さらに太陽光発電と“夢”は楽観的。気象予測・気象制御、地震予測も目論まれているが、先は長かった…2016/10/25
キヨスケ
2
時代の違い、隔絶を感じるねぇ。原子力利用の礼讚や、現在なら環境への悪影響から実行不可能な、旧ソ連の“自然改造”のようなことも、この当時ではまだ問題視されなかったんだろうなぁ。ところで、イラストが昔読んだ子供向けSFみたいだと思ってたら、真鍋博さんという、その方面で有名だったイラストレーターみたいで。2013/11/13
かど
1
中曽根さんが科学技術庁長官をやっていた頃の本の復刻版。いまから振り返ると、実現できたことできなかったことの差はなんだったのか、考えさせられますね。2014/07/26
kazzz
1
60年代当時に21世紀はこうなっているだろうということを予測した本。原子力への妄信的とも思える期待感や、国土計画、自然改造等、当時のイケイケドンドンぶりが感じられる。予測より現実の方が先に進んだ分野(コンピュータ、携帯tel等)あり、夢物語だったなという技術もあり。次の40年はどこまで予測できるんだろうか?と想像しつつ、タイムマシン的に楽しむのがいいかも。ところで空飛ぶ車はいつ実現するんだろうw2014/08/10