内容説明
「女」が男の邪魔をしている、「女」が女の邪魔をしている、あなたの中の「女」が、あなたの邪魔をしている…。エビちゃん系女子的に「生きやすさ」を生きるか、文化系女子的に「生きにくさ」を生きるか?すべての女性に贈る、性差をめぐる煩悩考察エッセイ。
目次
第1章 女であることの損得勘定
第2章 女子という自意識
第3章 男女は棲み分けしている
第4章 すべてのファッションは女装である
第5章 「男子にはわかるまい」のココロ
第6章 恋愛ファシズム
第7章 結婚をめぐる煩悩
第8章 男の窮状と女嫌い
第9章 「女」はどこにもいない
第10章 中村うさぎという生き方
著者等紹介
大野左紀子[オオノサキコ]
1959年名古屋生まれ。東京芸術大学美術学部彫刻科卒業。1983年より2002年まで美術作家活動を行う。現在、名古屋芸術大学、トライデントデザイン専門学校非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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katoyann
19
女性の生きにくさをポピュラー文化を事例として幅広く論じたエッセイ。男の欲望の客体であることをどこまでも意識させられてしまうところのシンドサが描かれている。 一つのストーリーとして読むと、少し論点の拡散を感じるが、恋愛至上主義的な価値観に縛られる社会で生きる男の苦しさについても言及されていて、好感が持てるところもある。ただ、トランスジェンダーの蔑称がベタで書かれているのは、少し人権感覚がずれていると思った。2021/01/15
kiragara
4
最終章、中村うさぎを例に挙げた上での自分語りによって、著者にとっても「女」が人生を通徹した現在進行形の問題であることを示し、論説の強度が増している。2010/07/29
penguin
4
「女」性に違和感を感じてる人に、是非読んで欲しい本かもしれません。「女」であることのしんどさ、ややこしさ面倒さ業なんかを、具体例を用いて分かり易くテキストに起こしてくれてるので、納得しつつ読了。中村うさぎ氏の分析は、考えさせられました。2010/02/09
かす実
3
大野さんは性と女のトピックにおいてとても信頼している書き手。実感をもとにした深い洞察。本音が見え隠れする皮肉のきいた文体。どの章を読んでいても「本当にそう!!」と何度も頷いたし、自分の感情が他者によって明解に言語化されている気持ち良さに笑いがこぼれた。女を嫌悪し知能や才能で女を脱しようと試みながらもどうしたって女で、そういうことに直面しながら生きてきた大先輩の言葉だから、重みがある。女は向けられる視線と自意識の間で誰もが闘っているのよ、と言われると救われる気がする。諦めながら面白がってゆきたい2021/02/10
nawatobi
2
ブログとして書いていた内容を推敲し本にまとめたのでやはり本の方がブログよりも読みやすい/元々フェミニズム畑の人ではないが自分について考えざるを得ない芸術畑からの見られる性としての苦しさとジェンダーなしに男女は関係できるのか問題提起もなされている/自意識に目覚めた(いわゆるこじらせ系)の人間にとって身にしみる話ばかり。2012/07/23