世間の目―なぜ渡る世間は「鬼ばかり」なのか

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784334974428
  • NDC分類 304
  • Cコード C0095

出版社内容情報

★この本をお薦めします★~紀伊國屋書店札幌本店・福島 誠
○上司と一緒に食事に行った場合は上司より高いものを頼んではいけない。○プレゼントをもらったときは必ずお返しをしなければならない。○日本では法律の条文どおりに進めようとするとヒナンされる。なぜか(世間では)「そういうことになっている」、その構造を解き明かした名著。

内容説明

著者は「世間」を「日本人が集団になったときに発生する力学」と考えたい。これは個人の意思とは別に相対的に独立してあらわれる集団の意思そのものである。この意思はある種の強制力をもっている。「世間」が「権力」だといわれると、すこし違和感があるかもしれない。しかし「世間」はある場合にきわめて強力に個々の人間を拘束するようなチカラをもつ。私たちはそれには、抵抗するのが非常にむずかしい…日本人をつらぬく見えない掟。

目次

私が「世間」にこだわるワケ―ちょっと恥ずかしいが
世間学の基礎知識―「世間」はこんなふうにできている
医療と「世間」―日本人の臓器提供は「日頃のお礼」
学校と「世間」―イジメ・入学拒否はなぜおきる
職場と「世間」―過労死・過労自殺はなぜおきる
事件と「世間」(あたらしい身分制=「中世」のはじまり;子どもの大人化と「声の文化」の復活)
マスコミ報道と「世間」―明石家さんまはなぜ呼び捨てなのか
情報化社会と「世間」―プライバシーより優先されるもの
ネット社会と「世間」―どこまでいっても個人がいない

著者等紹介

佐藤直樹[サトウナオキ]
1951年仙台市生まれ。81年新潟大学修士課程卒業。84年九州大学大学院博士課程修了。専門は刑事法学、現象学、そして世間学。現在、九州工業大学情報工学部教授。99年「日本世間学会」創立に初代代表幹事として参画。福岡市在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

奏市

12
2004年刊 の刑事法学者による日本独特の世間についてマイナス面を考察した書。当時よりいい方向に行っている事もあればSNS等により深刻化したものもあると感じる。具体的な事件の実例が何件もありわかりやすい。いわゆる社会的制裁っていうのは相当に強力で法的権利では日本では太刀打ちできないことはしばしば。ヨーロッパとの比較で興味深かったのは、彼らは隣の机にいても鳴っている同僚の電話は取らないという事。上司から置き忘れた携帯まで出てと言われている自分とは対照的。世間って効用も多いと思うが、深い闇の存在を改めて認識。2021/08/08

ネコ虎

9
積読本の消化とはいえ、全くのムダな時間を費やしてしまった。18年前の本ではあるが、中身の薄さ、西欧崇拝の何でも西欧では、の出羽守ばかりに辟易。もっと勉強しろよ佐藤先生。2022/07/01

銀雪

5
法学部のゼミで「空気」「世間」についての議論をするので読んだ。著者は刑法学者だし。有名な事件や卑近な例を数多く用いているし、文章も、やや主張が強いとは思うものの軽いタッチで読みやすい。特に興味深かったのは安楽死などの医療と世間の章。ネット社会と世間の章も興味深かった。この本は2004年の本だから、TwitterやFacebookが普及した今ではどのように著者が論じるのかちょっと気になる。2011/08/14

ラウール

5
日本人は世間に縛られ、本来の意味での自己決定が出来ていないことを知った。同じく世間学を研究されている阿部謹也さんの著作より文章が平易で読みやすく、世間学の入門として読むにはいい本だと思う。ただ、若干冗長に感じる部分もあった。2011/08/12

takao

3
ふむ2024/04/08

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