神の子〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 458p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334929589
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

身元引受人となった前原悦子の製作所を手伝いながら、大学に通いはじめた町田は、同じ大学の学生たちの会社「STN」設立を手伝うことになる。周囲は賑やかになり、町田の感情も穏やかになりはじめているように見えた。しかし、すべての始まりだった殺人事件と、その関係者たちは、町田を放っておいてはくれなかった…。

著者等紹介

薬丸岳[ヤクマルガク]
1969年生まれ。2005年、『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yunemo

461
穏やかな展開。何人たりとも心に触れることのできない、深い絶望と孤独を宿す者が身近なところにも居たんだ。頭と心が融合していく様が僅かに表現されるところに安堵感。不器用ながら、心の芯に触れるということの意味を醸し出す。そこに収斂していく様子が理解できる。結局は他人のためにする行為が人の気持ちを和ませる。いろんな解釈ができるけど、やっぱり仲間がいて自分がいる、一人で生きることの寂しさ、結局はそこなんだ。との想いを深めて読了。それにしても、天才的頭脳の発揮を、もう少し表立ってくれても、という気持ちも残ります。2014/09/06

風眠

353
人の優しさ、淋しさ、哀しさ、温かさ。こういったヒューマンドラマ的な要素が物語をよりドラマチックにしている。ただのミステリーとはそういうところが違って、そういうところにグッとくる。自分しか信じない、自分が生きるためにはどんなことでもすると言っていた少年が、身元引受人や同じ大学の学生達と出会って少しずつ変わっていく。裏社会から逃げ切って、表の社会で生きていく。光のなかで生きていく。そういう当たり前の幸せを享受できたから「こんなにたくさん誰が食べるの?」という問いかけに、「仲間だ」と答えることができたのだろう。2014/12/02

ダイ@2019.11.2~一時休止

331
薬丸さんらしい重い雰囲気なんだけど読みやすくて一気に読み終えた。そんな行動するかって人もいたけど、最後はイイ終わり方で非常に満足できた。2014/09/09

takaC

286
上巻(第1章と第2章の前半)未読で下巻から読み始めたが最後まで読んでも上巻の内容を完全に推測する事は出来なかった。さて、自分が未熟なのか小説が秀でているのか。上巻読んで答え合わせしよう。2014/11/09

reo

251
「ひろしちゃん、へただね」その声に、おれは稔がつくったおにぎりに目を向けた。昔のようなでこぼこではなくて、形の整ったおいしそうなおにぎりだった。「ああ。勉強しなきゃだな」「こんなにたくさん、だれが食べるの?」おれは問いかけてきた稔に目を向けて微笑んだ「仲間だ」。上巻の最初のころの伏線から、最後はそのエピソードで手仕舞い。ひろしから町田博史に変身した姿がこの会話でわかる仕掛。少し強引ではないだろうかと、思うところもあるが、持ち前の筆力で押し切ってしまう。再読ですが、最後まで読ませてくれる。さすがに上手い。2016/10/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8222458
  • ご注意事項