内容説明
古い洋館を改装したホスピス「丘の上病院」。ゴールデンレトリバーの姿となって「我が主様」から地上に派遣された「死神」の私は、看護師の菜穂に保護され、「レオ」という名で丘の上病院に住むことに。そこには死神だけにわかる、この世への「未練」が放つ４人分の「腐臭」が漂っていた。この洋館では７年前に謎の“吸血鬼家族”殺人事件が起きたという。事件は未解決、裏庭には「地縛」する３つの「魂」―。「言霊」を操り、相手の「魂」を浄化し、無事に「我が主様」の元に導くことを仕事とするレオ。洋館を調べまわるうちに隠された地下室を発見し、事態は思わぬ方向へ―！！現役医師がホスピスを舞台に描く、心温まるファンタジックミステリー。
著者等紹介
知念実希人［チネンミキト］
１９７８年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒。現役内科医。２０１２年『誰がための刃―レゾンデートル』で島田荘司選第４回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、デビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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takaC
321
読み途中で病に伏してしまったので2日がかりの読了になった。ダイヤ発見で菜穂が逝かない終わり方するのかとも思ったが、そう都合良くは出来ていないのね。最後、今さら死神でも天使でもあまり印象違わないような気がした。「プロローグ / 第1章 死神、初仕事にとりかかる / 第2章 死神、殺人事件を解明する / 第3章 死神、芸術を語る / 第4章 死神、愛を語る / 第5章 死神、街におりる / 第6章 死神、絶体絶命 / 第7章 死神のメリークリスマス / エピローグ」2015/08/28
ダイ＠2019.11.2～一時休止
304
犬になった死神がこの世の未練をなくさせる。エピローグがイイ感じ。2014/10/26
kaizen@名古屋de朝活読書会
276
死神が犬の姿になって地上に降りる。左遷。赤川次郎の「天使と悪魔」の雰囲気。著者が医者なだけあって、主題は人間の生と死における思いに焦点を絞っている。地縛霊にならないように、思い残すことが無いように、過去を解きほぐす。死神、別の名前を天使。悪魔が堕天使であるのとは違い、本来の職務として。文庫になるときの解説を、今から下準備しておこう。１章から７章までが１話から７話だとして、著者は何を伝えたかったのか。朝比奈菜穂が助けてくれたところから亡くなるまでの必然性とは。最初のふりがな、言葉の選び方など気になることも。2013/11/18
しんたろー
214
医療ミステリがホームグラウンドの知念さんが、｢ファンタジー？？｣と思っていたが、読んでみたら拾い物だった。身近な犬に姿を変えた主人公が、人生に強い未練を抱えた末期患者たちを一人ずつ救済しながら、全体を通す事件を解決する展開も楽しかった。堅物なのに自分の気持ちに正直で、恩義に篤く、シュークリームに目がないゴールデンレトリバーというキャラクター設定も好み。ファンタジーなのでミステリ＆サスペンスに御都合な点も多々あるが、漫画的に気楽に読めてホッコリできるので、お得感がある作品だった。続編も楽しみ♪♪2017/06/25
紫 綺
210
プライドだけは高く、機械的に仕事をこなす死神。犬の身体に左遷され、古い洋館を改装したホスピスで飼われることに。彼の仕事は死期の迫った訳あり患者の地縛霊化を防ぐこと。7年前の一家殺人事件を基軸に、ハラハラドキドキの痛快劇を展開するハートフルミステリー。2015/09/04
