内容説明
ウルトラマンたちは、なぜ命を賭けて戦うのだろう。異星人である私たちのために。若き地球防衛隊員を通して描く、ウルトラマンメビウスの活躍と葛藤。一級品のSF小説として描かれた、ファン必読の新たな「ウルトラマン」像。
著者等紹介
朱川湊人[シュカワミナト]
1963年、大阪生まれ。慶應義塾大学文学部卒。2002年、「フクロウ男」で第41回オール讀物推理小説新人賞を受賞。2003年、「白い部屋で月の歌を」で第10回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。2005年、『花まんま』で第133回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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utinopoti27
108
直木賞作家が手掛ける『新説・ウルトラマンメビウス』 収録作品のうち3編は、朱川氏が実際にTVシリーズの脚本として制作したものをベースにしているらしい。本作は、防衛組織GUYSの見習い隊員ハルザキの視点で描かれており、SFでありながら、現実を見据える彼のシニカルな感覚が、隊員たちや市井の人々の心情風景をうまく切り取っている。本来なら主役となるべき「メビウスVS怪獣の戦い」は脇に追いやり、あくまで小説的な日常描写を前面に押し出す手法は、試みとして十分成功していると思う。朱川氏のウルトラ愛が微笑ましい。2019/10/06
takaC
71
これは面白い。気に入った。ウルトラマンが居る地球(と防衛組織GUYS)をリアリズム的に表したらこうなるのか。2014/11/30
nyanco
26
最初は説明が多く、ちょっと物語に入り込みにくかったのですが、良く考えてみれば私だってかつてはウルトラマンを毎週のように見ていた世代。細かい設定を気にするよりも、物語自体を楽しむように頭を切り替えると、とても楽しめました。特に豪快な食堂のおばちゃんが登場する「無敵のママ」は楽しかった。おばちゃんのイメージは柴田理恵さんでした。放映は2006年、『花まんま』で直木賞を受賞された後に脚本を書かれたということですよね。直木賞作家の書いたウルトラマン、う~んなんて贅沢!2010/01/31
さゆ
19
はじめはウルトラマンだったら、やっぱり小説より映像の方がおもしろいよね、って思っていたんですが、3話目くらいから、その世界になじむことができました。「宇宙には悪意と闘争が満ちているかもしれないが、同時に愛と善意も、確かに存在している」。地球もそうであると信じたい。2010/02/14
ひめありす@灯れ松明の火
16
ウルトラ系お仕事小説。ってウルトラマンって人間じゃなかったのか!2010/10/08