ひなた

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334924836
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

一組のカップル、一組の夫婦、そして一人の男の物語。さらけださない人間関係。

著者等紹介

吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年、長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。’96年「Water」が文學界新人賞最終候補となる。’97年「最後の息子」で文學界新人賞受賞。同作は第117回芥川賞候補となる。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞受賞、同年、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

88
好きだなぁ。いろんな事があるけれどそれを表沙汰にせず胸におさめて日々を送る。登場人物の立ち位置が絶妙で、何段ものヤジロベイが危ういバランスを保つ。人の優しさって、実はこういうにとではないのかと思う。日常なんてそれまで言わなかったたった一言を口にしただけでバラバラと崩れるのを大人は知っている。その一言を胸に仕舞ってその上に想いを重ねていく。平穏はきっとそうして築かれる。死ぬまで、いえ、死んでも明かさない秘密があってもいい。秋のひなたに並べる布団はお日様のにおいがしてきっと良く眠れる。そんなお話だった。2019/10/08

とりあえず…

42
ひなたでポカポカ気持ちいいな、と思っていても、時間が移ろえばそこは日陰。季節が巡っても、雲が張り出してきてもやっぱり日陰。ずっとひなたでいることはできない。でも、さらに季節が巡り、時間が移ろえばまたひなたに出ることもある。人の一生なんてそれの繰り返し。自分がどう捉えるか、それに尽きると感じた。この本の中で、もっとも魅力のある人は、桂子でもレイでもなく、間違いなく大路家の母。かくありたい。2014/02/17

kyon

37
吉田修一さんらしい作品。イメージしやすい、何処にでも居そうな人達。視点がコロコロ変わりながら話しが進んで行くのであきません。この本は不思議な事に前半の方が好きだったかも。「黙ってたんじゃなくて、忘れてた」あの場面での最高の一言。誰も傷つけない一言。忘れてしまうほど、違和感なかったと思わせる。凄いなぁ〜。2016/03/14

星群

34
ひなたとひかげ、表裏一体。どちらか一方だけなんて、ない。人も一緒。どんなに良い人でも、内緒にしておきたい「ひかげ」がある。「黙ってたんじゃなくて、忘れてた」「なぁ、もしさ、もしも俺がほんとに兄貴の弟だったらどうする?」どこか不器用な、この兄弟が何か好き。2012/12/16

あつひめ

34
何一つ解決しないのが人生なのかもしれないなぁ・・・と漠然と思った。何かを解決しようとしたら誰かが傷つく。傷がどんどん増えていく。同じ季節を生きているのに・・・お互いが見えない。向かい合わずに同じ方向を見つめて歩いているからかもしれない。現実の中でもきっと同じ時間お互いがまったく違うことを心の中で思っているかもしれない。でも、みんな自分が可愛いから傷つきたくないから最善の方法を探しながら生きているのかもしれない。普通の世間一般のカップルや夫婦に近い物語かもしれない。2011/04/28

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