内容説明
1995年1月17日5時46分―阪神・淡路大震災が奪ったのは、たくさんの生命だけではなかった。20世紀、多くのものを喪った我々に希望の光を与える文芸大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
85
阪神淡路大震災をきっかけに街の復興と共に心の復興をテーマにしている。人の運命とは本当にわからないものだ。前日喧嘩をしていなければいつもの場所に眠りいつものようにコーヒーを淹れいつものように新聞を取りに外に出ていたかもしれない。そんないつもとは違うことで自分の命が救われたとしたら。あんな事をきっかけに自分が知らない夫の本性が現れたらこんなに平静でいられるのだろうかとも思ったけれど、逆にこんな時だからということもあるのかもしれない。人の運命を変える出来事は悪いことばかりではなくいいことだってきっとあるはず。2013/03/20
美雀(みすず)
29
阪神淡路大震災に遭い、東京に逃げるように避難した希美子。実は夫の裏切りでもあった。その事の負い目もあって、震災遺児の三姉妹を引き取る。奥飛騨の山の暮らしをはじめ忙しい日々を送る。希美子の父親が逞しく思える。旦那さんの価値がまるで無い。どうなるのか気になるから下巻へと2013/12/15
くろすけ
16
再読。東山魁夷のカバー装画が深い色合いで見飽きない。傷ついた生きものたちを癒し、再生へと向かわせる森の生命力。2014/09/21
ゆまたろ
6
阪神大震災をキッカケに夫の浮気が発覚。希美子の生活はガラリと変わる。震災で頼るものをなくした子どもたちが希美子の住む山荘に集まってくる。 これからどうなるのか希美子の人生の行方が気になる!急いで下巻へ!2018/12/13
mami
4
ありえない設定ではあるけれど、ぐいぐい読ませるのはさすがに作者が一流だからこそ。さぁ下巻へ。2016/01/02