オブリヴィオン

電子版価格
¥1,320
  • 電書あり

オブリヴィオン

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 374p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334911874
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

刑務所帰りの森二をふたりの「兄」が待っていた――。暗い情熱が激しく弾ける、著者の小説世界の魅力を凝縮した力作

内容説明

森二が刑務所を出た日、塀の外で二人の「兄」が待っていた―。自らの犯した深い罪ゆえに、自分を責め、他者を拒み、頑なに孤独でいようとする森二。うらぶれたアパートの隣室には、バンドネオンの息苦しく哀しげな旋律を奏でる美少女・沙羅がすんでいた。森二の部屋を突然訪れた『娘』冬香の言葉が突き刺さる―。森二の「奇跡」と「罪」が事件を、憎しみを、欲望を呼び寄せ、人々と森二を結び、縛りつける。更に暴走する憎悪と欲望が、冬香と沙羅を巻き込む!森二は苦しみを越えて「奇跡」を起こせるのか!?

著者等紹介

遠田潤子[トオダジュンコ]
1966年大阪府生まれ。関西大学文学部独逸文学科卒。2009年『月桃夜』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。’12年『アンチェルの蝶』が第15回大藪春彦賞候補、『雪の鉄樹』が本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベストテン第1位に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

347
『本の雑誌』2017年第一位ということで、読みました。遠田潤子、初読です。370P超、一気読みしました。昭和の赤いシリーズもしくは女新堂冬樹といった感じです。アルゼンチンタンゴ、バンドネオン、ピアソラは好きなので楽しめました。但し、本作は年間No.1レベルの作品ではありません。せいぜいBEST20候補レベルではないでしょうか? https://www.youtube.com/watch?v=9KvKvkD5zGk2017/12/25

しんたろー

287
遠田さん2冊目。『雪の鉄樹』もそうだったが、主人公が「精神的なマゾ?」と思う程、自分を責める責める…なので「君は悪くないよ」と思わされて共感する…作者の計算かも知れない。主要の男たちが各々に大きな心の傷を負っているのが伝わってきて苦しいが、沙羅の健気さや強かさが読者にも救いになっている。過去の事件を謎として引っ張って行くストーリーラインと重さを伴った静謐さは、遠田ワールドと言えるものなのだろう。このクセの強さは鮒ずしやクサヤのように好みが分かれるタイプ…決して嫌いではないが、続けてはチョッと辛いかな。2018/03/01

takaC

224
なんか凄かった。いつかの『本の雑誌』で紹介されていたのが気を引かれたきっかけだったと思うが、こういう内容だとは読み始めてから知った。最後の方に生駒の十三峠が出てきたときにはちょっとにやけてしまった。2018/04/18

utinopoti27

217
忘れ去れ!赦しを請え!来し方の過ちに苦しむ者たちの耳元で囁き続けるようなオブリヴィオンの旋律。犯した罪の重さに耐え切れず、自らを卑下し、傷つけることでしか現実逃避の手段を持たない森二ですが、かえって周囲の者たちに厄災を振り撒くことになってしまいます。抗いきれない血脈の系譜と怨讐の果てに、彼が見た淡い光の正体がラストで示唆された時の衝撃は、暫く尾を引くかもしれません。ある著名評者をして「2017年はこの本を読むためにあった年」とまで言わしめた作者渾身の作品、まさにどんな賛辞も陳腐に聞こえるほどの傑作でした。2018/04/01

タイ子

197
ふぅ~、遠田ワールドにずっぽりハマって読後に一息。いつものパターンですな。妻を殺して服役後、出所した男の元にヤクザ稼業の兄と元妻の義兄が待っている。男はなぜ妻を殺さねばならなかったのか?義兄との因縁は?服役後の就職の難しさの中でやり直そうとする男に周りがほおっておかない。幸せだった過去ゆえ自分の犯罪が赦されない、男が放つある能力で少年時代に父親から受けた過去の出来事。切れない過去と現在の狭間の中で苦しむ男に突き付けられた真実。終盤までそんなバカな!救いを求めて読んでいく手が止まらない。今回もハマった!2018/03/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12367986
  • ご注意事項