感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bo-he-mian
16
まだ自分が洟タレ小僧で、国際政治や世界の歴史や文化に興味など持っていなかった頃、坂口尚が描いているという理由で読み、「ユーゴスラヴィア」という国について知るきっかけになった漫画。WW2の最中、パルチザンに身を投じた少年の目を通して、平和への思いと生命の讃歌を詩情豊かに謳い上げた不朽の名作。日本人になじみの薄いバルカン半島という地域が、いつも心のどこかで引っかかっていたのはこの漫画と出逢えたからだと思う。地図から消えてしまった国・ユーゴでも翻訳出版され、ユーゴの作家協会からも賞賛され、人々に愛された作品。2018/10/13
ひめぴょん
6
第二次世界大戦下のユーゴスラビアが舞台。ドイツ軍とパルチザンの双方の目線でどちら側にも立たない描写が戦争にはどちらにも正義はあり、どちらにも悪があることを淡々と示しています。クリロのひたむきさが印象的。石筍を石の花のようだと表現する場面で、花に見ているのはぼくたちのまなざし と。タイトルも通じる場面が最初の方に出てきます。 平和そうに見える森は幻。→夜の森の恐ろしさから昼間の森を幻と表現。どちらが幻なのか。「何を見たとしても信じろ。信じるということはそういうことだ」→表面を見るのでなく、見えない部分を感じ2022/07/30