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内容説明
「あなたの前世はルネサンス期に活躍したデジデリオという美貌の青年彫刻家です」。前世が見えるという女性に取材で出会ったことがきっかけで、イタリアに旅立つことを決意した。相次ぐ偶然の発見に驚きと懐疑心を抱きながらも、時空を超えて前世の「自分」を検証するスリリングで不思議な旅のルポルタージュ。
目次
第1章 旅のはじまり(不思議な女性;疑惑;検証 ほか)
第2章 前世への冒険(フィレンツェにて;故郷セッティニャーノへ;「ポルトガル枢機卿の墓碑」との対面 ほか)
第3章 迷宮デジデリオ(謎解き;旅のおわり)
著者等紹介
森下典子[モリシタノリコ]
1956年神奈川県生まれ。日本女子大学文学部国文学科卒業。『週刊朝日』のコラム「デキゴトロジー」の取材記者を経て、1987年にその体験を書いた『典奴どすえ』を出版。その以後、ルポ、エッセイなどを執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mukimi
112
筆者は、前世を占う人物にイタリアで500年前に活躍した美貌の彫刻家の生まれ変わりと告げられ旅を始める。但し夢物語を漫然と追うのではなく、理系の石頭を自認する私も脱帽の論理と情報収集力と懐疑性をもって。私は神秘と科学の間を揺らぎながら、歴史に埋もれかけた1人の男の人生と現代を生きる筆者の人生を行き来しながら、真実なんてどうでも良くなっていた。人生は有限だなんて簡単に言わずに、人生には定量化できない光が無限に点在しておりその光に少しでも多く気付きたいと、好奇心すなわち生きる意欲がむくむく湧いてくるのだった。2023/08/27
のんき
85
わたしにも前世があったかどうかは、わからないけど、前に会ったことある人だなとか、行ったことないけど、見たことある景色だなと思うことはあります。著者の前世が、イタリアのルネサンスの時代の人物らしいと言われます。どんな人かわたしも気になるけど、イタリアにまで行っちゃう著者はスゴイ!スリリングな冒険が展開されます。まるで宝探しのよう。偶然も重なり、著者の前世であるという人物が浮かび上がってきます。推理小説よりも面白かったな2017/12/29
したっぱ店員
55
杏さんのエッセイで紹介されてて手に取る。作者が見てもらった前世の「イタリアの彫刻家」があまりに詳細だったのをいぶかしみ、検証の旅に出るノンフィクション。与えられた雑多な語句の手がかりが実在し徐々に目の前に現れていく流れが、宝探しのようでワクワクしながら一気読み。面白かった!こんなに現実とリンクしているにもかかわらず、前世を見られるということには終始懐疑的なのがいい。かかわった人たちにもワクワクが伝染していくのも楽しかった。2017/07/13
小木ハム
44
とある女性『あなたの前世はデジデリオというルネサンスの美青年彫刻家です』こんな事を言われて本気でイタリアまで調査に行くんだから面白くない訳がない。何の脈絡もないと思われたキーワード達が、あれよあれよと繋がっていく展開に鳥肌&大興奮。とても不思議でロマンチックな実録ルポ。…デジャヴとは、前世の記憶なんだろうか?P287『人間はどこから来て、やがてどこへ帰るのかわからない。けれど、どこから来て、どこへ帰るにしても、人生は心からしたいと望むことをするためにある』2018/06/26
ton
35
『杏のふむふむ』で紹介されていた本。 ふと思い出して、購入。 筆者の森下典子さんと同じスタンス〝胡散臭い〟という意識で読み始めただけに、調べれば調べるほどに深まる彼女の戸惑いや驚きには共感してしまったし、途中からは胡散臭さよりも、ルネサンス時代に活躍し、夭逝したデジデリオという彫刻家の人生をめぐるルポルタージュとして夢中で読んでいた。 前世か・・・。やっぱり胡散臭いのだけど、人に勧めたくなる1冊。 いとうせいこう氏の解説も良い。2017/03/12