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内容説明
「コミュニティ」や「居場所」は若者や生きづらい人を救う万能薬なのか。「世界平和」や「夢」を掲げたクルーズ船・ピースボートに乗り込んだ東大院生による社会学的調査・分析の報告。夢や希望を持ち乗り込んだはずの船内で繰り広げられる驚きの光景。それは日本社会のある部分を誇張した縮図であった。若者の「貧しさ」と「寂しさ」への処方箋として持ち上げられる「承認の共同体」の可能性と限界を探る。古市憲寿のデビュー作が文庫で登場。
目次
第1章 壊れた日本、希望は共同体?
第2章 旅の終焉と新しい団体旅行
第3章 ピースボートの秘密
第4章 自分探しの幽霊船に乗る若者たち
第5章 ルポ・ピースボート
第6章 あきらめの舟
第7章 だからあなたはあきらめて
解説、というか反論―本田由紀
著者等紹介
古市憲寿[フルイチノリトシ]
1985年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。日本学術振興会「育志賞」受賞。2010年『希望難民ご一行様』(光文社新書)でデビュー。『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社+α文庫)で注目を集め、メディアでも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
35
作者が大学院生時代にピースボートに乗船し実地調査した分析結果をまとめた本。簡単に言えば若いピースボート乗船者たちをいくつかの類型に分類して論じた若者社会論だが、論点がはっきりしていてわかりやすい。ピースボートが社会全体の縮図のような面もあり、社会全体にも適用されそうな内容だが、基本的にソリューションまで踏み込んでいないので読後感は少しモヤモヤする。2023/03/16
kawa
30
憲法9条護持と平和活動という政治目的の実現をも目標とする世界クルーズ船「ピースボート」に同乗、社会学的アプローチで2000年代の若者気質を分析研究した著者のマスター論文に手を加えて新書化した本書。参加した若者たちにとっては、ピースボートが目指す目的性より旅によって得られた仲間たちとの社会性の方が重要であったと分析し著者の独自論を展開。その論に関しては、巻末の本多由紀さん「解説、というか反論」の方にシンパシーを感ずる。まあぁ、本論よりもピースボードの営業手法やトラブルの顛末の方が印象的だ。2024/01/03
Ayakankoku
10
文庫版になり再読。古市さんの初めての著書、修論がこれって…本当素晴らしすぎる。改めてファンになった。コロナ禍で、こういった共同体にどんな変化がもたらされたのか気になる。2023/05/23
りんご
6
古市さんのデビュー作。世界一周クルーズ船「ピースボート」に乗り込んだ若者たちの実態とは。「承認の共同体」とは。。。2023/08/09
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