光文社文庫
絶海ジェイル―Kの悲劇’94

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  • サイズ 文庫判/ページ数 414p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334766801
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

先の大戦中、赤化華族の疑いをかけられ獄死したはずの祖父・清康が生きている。そう聞かされた天才ピアニストのイエ先輩こと八重洲家康は、後輩の渡辺夕佳とともに絶海の孤島・古尊島を訪れる。だがそこは厳重な一望監視獄舎を擁する監獄島であり、思いもよらない罠が二人を待ち受けていた。家康は50年前の祖父と同じ方法で、命をかけた脱出劇を再現できるのか!?

著者等紹介

古野まほろ[フルノマホロ]
東京大学法学部卒。リヨン第三大学法学部第三段階「Droit et Politique de la S´ecurit´e」専攻修士課程修了。フランス内務省より免状「Dipl^ome de Commissaire」授与。2007年、故・宇山日出臣氏が発掘した最後の新人として、有栖川有栖氏の絶賛を受けた『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後、重量級の長編本格探偵小説を次々と発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

76
【イエユカ シリーズ】第2弾。確かにミステリではあるが、かなり変わったタイプの謎解きで、孤島の監獄から如何に脱出するかを推理する。先の大戦の時、監獄に囚われた家康の祖父清康と仲間たちが、何らかの方法で脱出を成功させていた。家康は当時と同じ状況を再現した人物により投獄され、祖父清康の手口を探しだし脱出するように追い込まれる。伏線として張られたものは、全て論理的に回収し説明されるのは、いつも通り素晴らしいと思う。しかし今回の脱出論理は、解らないなと早々になってしまい、肝心の推理を楽しむ事は全くなく残念だった。2022/01/26

朝比奈さん

19
文庫版での再読。 力技で暴力装置。でもいいの、まほろ、愛しているから(笑)そんなことは朝ココア前なの。 このシリーズが文庫化されて最大のメリットはあとがきと人物相関図やな。 次作でとうとう、天帝×セーラー服になるのね!頑張れ、栄子さん!(違) パノプティコンで波野淵今て・・・。 松浦るいかは何者なのさ。だってあの女狐(きっと黒幕)は渡辺嬢と仲良しのハズ。でもるいかと言えばあの女…。いやあ、しばらく楽しそうです。2014/01/18

やっす

16
イエユカシリーズ二作目。今回は珍しくハウダニット(どのように)がメインのお話。鉄壁を誇る監獄からいかにして脱獄するかがその命題なのだが、ぶっちゃけこの作者にハウダニットは似合わないと思う。w 読者への挑戦まで附した割りに、肝心の脱獄トリックは極めて雑多な知識が必要とされる代物で、これを推理できる読者なんているのかという感じ。対して、脱獄の裏に隠されたフーダニット(誰が)の意外な展開などには見るべきものがあり、さすが古野まほろと唸らせられます。総じて期待した水準はしっかりクリアされているので満足感は充分。2017/04/10

りさ

16
イエユカシリーズ第二弾。巻末の古野まほろ作品の相関図が嬉しい。しかし、この作家の作品は連続して読むのは厳しい。でも不思議とまた戻りたくなる中毒性。しばらくまた読みます。しかし、蓋然性なんて普段全く使わないし、この作家さんからしか出てこない言葉だよなぁ。と漠然と。監獄からの脱出劇。楽しかったです。でも、なんか痛かったです。せっかく天才でイケメンで公爵様なのだから、もう少し人生楽勝であってほしい。2016/09/25

なしかれー

16
イエユカシリーズ2作目。清康のショパンを餌に、絶海の孤島のパノプティコンに監禁されてしまったイエ先輩。生き残る道は、50年前、同様に監禁されながらも脱獄を成した清康をトレースすることのみ。メインはこのハウダニット。鍵になりそうなガジェットは割と親切に教えてくれるのだけれど、それらをどう使うかまるで見当がつかない。この感じを、小川一水さんが見事に表現している。流石。解答には頭を抱えたくなるけれど、この変な心地良さ。イエ先輩に対する拷問には辟易してしまうけれど、まぁ、結果的には流石の公爵様といったところか。2014/05/26

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