光文社文庫
代価はバラ一輪―修道士カドフェル〈13〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 322p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334761493
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

―資産家の未亡人ジュディス・パールが夫の死後、門前通りの屋敷を修道院に寄贈したのは四年前のことだった。毎年、屋敷の裏庭に咲く白バラを一輪、聖ウィニフレッドの移葬祭に届けてもらうことのみを条件として―移葬祭が間近にせまった日に悲劇は起こった。未亡人にバラを届けていた若い修道士が殺害され、ずたずたに切り付けられたバラの木の根方で発見されたのだ。未亡人も修道院に向かったまま、行方不明に…。

著者等紹介

ピーターズ,エリス[ピーターズ,エリス][Peters,Ellis]
1913年9月28日、英国シュロップシャー州ホースヘイに3人兄弟の末っ子として生まれる。幼少期、地方史に造詣が深い母と一緒に、ウェールズ国境近くの古城や旧跡を見に行ったことが、将来の作家生活に大きな影響をもたらした。’33年から’40年までの7年間は化学者の助手・薬剤師として働き、第2次世界大戦では海軍婦人部隊に従軍。’36年に歴史短編小説を発表して、作家デビューを飾る。以後25年間に20冊以上の歴史小説を本名のイーディス・パージターで刊行する。’59年からエリス・ピーターズ名義で推理小説を書き始める。’81年にイギリス推理作家協会のシルヴァー・ダガー賞、’94年には大英勲章O.B.E.を授与される。翌’95年10月14日死去

大出健[オオイデケン]
1942年生まれ。デジタル書店「グーテンベルク21」を主宰
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

110
今まではあまり事件が続けざまに起きるということはない感じでしたが、この本では結構様々な出来事が続きます。作者の人間を見るやさしさというものが読んでいて伝わるせいかあまり悪人を憎むという気持ちが出てきません。それが読後巻としては比較的すっきりとさせてくれるのかもしれません。2016/06/17

花林糖

15
一味違う恋愛物で、赤薔薇ではなく白薔薇というのがロマンチック。最後の終わり方も印象的で素敵でした。2016/03/27

夜の女王

14
夫も子も亡くしたジュディスは思い出の家を修道院に寄付した。毎年聖ウィニフレッドの祝日に、その家の白薔薇を一輪届けてもらうと言う条件で。4度目のその日が近づいてきたある日、毎年届けていた担当の修道士が薔薇の根本で殺されているのが発見された!その後、ジュディスも行方不明になり、町は大騒ぎに・・・資産家の後家を巡る男たちの目論見が嫌らしい。何だかんだ言っても動機は明白!なら、犯人は一目瞭然なんだけど、あれこれ迷走するところがカドフェルらしくないなぁ(笑)最後はジュディスも相応しい男を見つけてメデタシ、メデタシ2018/07/16

きりぱい

8
修道院に屋敷を委ねる条件がその庭に咲くバラ一輪。まず修道院に寄贈して、祈ってもらうのではなく何か代価を受け取るというのもピンとこなかったけれど、結構な財産の代価が年に一輪の薔薇とはロマンチックな話。そのバラがもし損なわれてもそんなに大したことじゃ、と思いきや財産の権利が動くれっきとした契約のようで案の定殺人が。それにしても財産ある未亡人は上に下に結婚を迫られ大変。「彼は自分より熱心な献身を見せる者には、自分より劣る献身を見せる者同様、我慢がならなかった」とは相変わらず脇役のジェローム神父はいやらしい。2013/05/19

みとと50

5
対価が薔薇一輪って素敵!と思って読み始めたら何とも血なまぐさい展開に。当時の女性の地位のなんと心もとない事か。カドフェル、早く解決してよー!って何度も心に浮かびました。 2013/01/16

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