光文社文庫<br> 囚人同盟

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光文社文庫
囚人同盟

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  • サイズ 文庫判/ページ数 597p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334761004
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

―ワシントン州タコマ市沖合にあるマクニール島刑務所。所長一味は私腹をこやすことに狂奔し、所内の腐敗は進むばかり。そこに入所してきた新入りは、知力、体力にすぐれ、やがて舎房のリーダーとなった。あだ名は“マザー”。彼には秘めた目的が…。その達成のためプロジェクト・チームを組織した!―刑務所内を舞台に、ワルだが憎めない男たちが繰りひろげる奇想天外の計画とは…。武装銀行強盗で終身刑を受け、服役中の“現役囚人”作家がコミカルなタッチで描く一読必笑のピカレスク。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

goro@80.7

60
有象無象の囚人蠢くマクニール島刑務所の三J五房にやって来たのは銀行強盗の罪を背負った‟マザー”と綽名される男だった。マザーは同房の男の信頼を集め彼らを変え始める。言葉使いから房内整理に及び各自を教育してゆく。そこには遠大な復讐劇が隠されているのだけど、これが秀逸!読み始めたら止まらいな暴走小説だわ。さすが現役囚人(執筆時)の著者が描く所内が生き生きとしるし、アライグマで泣かされるとは思わなかった。本の厚さをぶち抜く胸のすくような物語。堪能いたしました。2022/02/03

harass

36
積ん読本消化第三弾。99年このミス海外部門10位。 刑務所の新入りは奇妙な銀行強盗の罪で入ってきた。彼は惰性と諦めが蔓延る同じ房の連中の気持ちを変え、彼らの未来を賭けた奇想天外な計画を実行しようとするのだが……  作者は実際の終身刑の囚人だという。類型的ともいえるが登場人物たちが魅力的。ろくでなしたちがまとまって目標に向かってさまざまな障害を克服していく姿に感心する。終始明るく話は進んでいき勧善?懲悪なのは安心できる。いささか冗舌なところがありごちゃごちゃと感じるところがあるがご愛嬌。一気に読める娯楽作。2015/05/07

タク

7
囚人デニス・リーマンが獄中で書いたピカレスク小説。99年の「このミス」海外部門でベスト10に入ってたそう/キャラが全員立ってるしストーリーも過不足なくエンタメしてるし、編集者の手腕が相当しっかりしてることを思わせる。良くも悪くも「映画でやれ」感凄かった/しかしこういう小説を翻訳するのってやっぱり光文社だよねw。2011/07/24

らりぃ

4
最高! いわゆるエトランゼもの、よそ者によってコミュニティのコモンセンスが揺るがされる物語の中でも、僕が好きなほう、旧弊な伝統や無意味な悪習を改革し、より良い方向へ変えていくというパターン(苦手なほうは、秩序が崩壊する悲惨なパターン)。猥雑な刑務所の中で、一癖も二癖もある囚人たちが一人の男に感化され、やがて自分たちの逼塞した人生を自覚し、それを変えるべく行動を起こす。読み始めたときには予想もつかなかった爽やかな小説で、なによりこの希望に満ちたエンターテインメントを終身刑の受刑者がものしたってのが感動的。2009/07/04

聖月

3
▲最後の裁判の件(くだり)は面白かったが、全体的には肌に合わなかった。その理由は、経験的にわかっている。評者の場合、"現役の銀行マンが書いた"とか、"元官僚が書いた"とかいう本というのは、結果的にダメなのである。著者が、本物の現場を知っているので、表現が写実的になる。取材をして、取材で網羅できなかった部分は想像力で書く、なんて場合はその想像力について行けばいいのだが、何から何まで見た通りで書いてあると、脳の想像力及び復元作業がついていかないのである2000/08/28

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