内容説明
「この赤い方が、ゾクダム・一号機、通称、赤い稲妻だ」黒古葉博士が指さした先には全長十二メートルの巨大ロボットが!遊園地の地下にあるZOKUDAMに配属されたロミ・品川とケン・十河の任務は、このロボットに乗り込み戦士として怪獣と戦うことらしいのだが…。この様子を密かに窺う男女の姿が。対抗組織TAIGONの揖斐純弥と永良野乃の二人だった。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生まれ。工学博士。’96年、『すべてがFになる』(講談社)で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。以降、「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」「Gシリーズ」をはじめ、『女王の百年密室』『スカイ・クロラ』など多数のヒット作を生み出す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tetchy
117
『ZOKU』の続編(実にややこしい表現だが)の本書は設定と人物を使った別の世界の作品のようだ。なぜなら前作から善と悪の設定が入れ替わっているからだ。これは即ち3人組の悪党たちと2人組の男女の正義の味方という設定だけを踏襲したタツノコプロアニメと同様、人物設定だけを同一にした全く別の話だと思うのが正しいようだ。この『ヤッターマン』的世界、私は森作品の中でもこのシリーズが一番好きなのかもしれない。次作『ZOKURANGER』もタイトルからしてアレのパロディなのだろうから、またもや世代ど真ん中なので愉しみだ。2022/06/02
ゲバオ
33
Zシリーズ2作目。タイトルからして(いい意味で)嫌な気配がプンプンしました(^-^)『赤い稲妻』ことZOKUDAMなるロボットのパイロットになることを命じられたロミ・品川の苦難の日々を描く。前作に負けず劣らずくだらない(誉め言葉)!出動から ロボットのばらし、搬送、組立だけで数週間かかるって…リアルすぎる…取説読むだけで数ヶ月。こんなにくだらない話なのにラストの悪の組織の一員、揖斐の「世の中に存在するどんなものでも…明日で終わりなんてものはないよ」のセリフにはなんかグッときちゃいました。2016/05/18
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33
Zシリーズ2作目。前作の登場人物と同じなのですが設定が変わっていて何だか違和感満載。だけど結局ひき込まれてしまうのです。今回はロミさんが主役で彼女の思考回路が面白すぎる。でもどこかで共感、感情移入、思い入れ。設定はロボットの闘い、現実はやっぱりこんなものですよねw急に現れてどんぱちするんじゃなくて綿密に計画し用意し、やっと戦いの場。良い意味でばかばかしい。この作品をどんな顔して森さんは書いてるんでしょうね。真面目な顔して書いてるのかな。それともにやにやして書いてるのかな。なぜかそんなことが気になりましたw2013/03/29
coco夏ko10角
30
Zシリーズ第2弾。最初の方は「…ん?1作目の前日談?」と思ったけど、途中でそうじゃないことに気付く。このシリーズは登場人物が共通してるだけで話は繋がってるわけじゃない・とのこと。そういうものだと知らないで読んだのでちょっと戸惑った、3弾は割り切って読み進められそう。そしてやはりロミ・品川がいいキャラだなぁ……2015/01/25
ぺぱごじら
26
『理数系ミステリの旗手:森博嗣』から『脱力系サラリーマン小説の新機軸:もりひろし』の振れ幅の大きさを堪能する『Zシリーズ』(…って呼ぶの?笑)。勤めびとなら避けては通れぬ異動・配置転換。その行き先がこんなトンデモ部署だとしたら?日々なすべきことの一つ一つが『何のために為されているのか』が判らなかったり荒唐無稽だったりしたときでも、人は必ず自分なりの『遣り甲斐』を見つけて誠実に生きようとするものだ、という深いメッセージとかは多分、ない(笑)。森さんが楽しそうに書いてる姿を想像して読むのが正解かな(笑)。2012/08/20