光文社文庫<br> 犬坊里美の冒険

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光文社文庫
犬坊里美の冒険

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  • サイズ 文庫判/ページ数 549p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334746278
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

衆人環視の総社神道宮の境内に、忽然と現れて消えた一体の腐乱死体。容疑者として逮捕・起訴されたホームレスの冤罪を晴らすために、司法修習生・犬坊里美が活躍する!里美の恋と涙を描く青春小説として、津山、倉敷、総社を舞台にした旅情ミステリーとして、そして、仰天の大トリックが炸裂する島田「本格」の真髄として、おもしろさ満載の傑作司法ミステリー。

著者等紹介

島田荘司[シマダソウジ]
1948年広島県生まれ。武蔵野美術大学卒。’81年に刊行された『占星術殺人事件』で本格ミステリー復興の旗手となる。新たな才能の発掘に力を尽くしながら、常にミステリー界の最前線を走り続け、御手洗潔、吉敷竹史の両シリーズは圧倒的な人気を誇る。また、近年は「冤罪事件」や「死刑問題」に象徴される日本人論などの社会的な発言や著作でも注目を集めている。2008年には、第12回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

がたやぴん

85
龍臥亭事件から約10年後のお話。里美ちゃんは、横浜での大学生活を終え、司法試験に合格。研修生として配属された事務所に殺人犯の弁護依頼が舞い込む。起訴された容疑者との接見、法廷が舞台でスピンオフとは言え雰囲気は異なる。弁護団の隅っこで大人しくできるわけもなく、大活躍。現れて五分と経たずに消えた死体。切り札として御手洗の連絡先を持っていると書かれたたげに、壮大なトリックの予感。電話で登場した石岡に感動はしたがトリックとは無関係。里美ちゃんが主役なだけにドタバタ感はあるけれど、伏線の効いた立派なミステリ。2016/12/13

中原れい

62
面白かった。でも「冒険」っていうより「奮闘」だったな。司法研修生になり手始めとして故郷近くの弁護士事務所で研修させてもらうことになった里美。緊張すると漢字が書けなくなるとかかえって甘ったるい喋り方になるとかは大層マイナスポイントだと思うんだけど、それで生じる誤解は読者の場合解説が正してくれる。作中では誤解されどおしでお疲れさんだな…しかしパンツスーツにしなさいよホント。ム所入りたい人の事情とか、わかんないけど早期解決しちゃいたい裁判事情とかの問題提起もしっかりな島田節でした。2020/03/13

Tetchy

24
当時一登場人物に過ぎなかった里美がこのような1つの物語の主人公を任されるとは誰が想像しただろうか?本作における犬坊里美の年齢は27歳であるが、これがとても年相応とは思えないほど落ち着きがなく、涙脆い。とにかく自分の無能さに絶望し、将来を悲観し、何かにつけて泣くのだ。これでは二十歳前後の女性だし、せめて24までというのが正直な思いだ。しかし本書における死体消失のトリックは前半にエピソードとしてさり気なく書かれた事が実は大いに関わってきて、なかなか面白かった。ただ法曹関係者が本書を読んだ時にどう思うだろうか?2010/04/28

えいなえいな

19
終始御手洗が出てきて事件を解決させてしまうんじゃないかとドキドキしながら読んでいました。それだけで面白さが増します。それ抜きでもテイストの違った島田荘司が楽しめて良かったです。ほぼ法廷ミステリーでしたがユーモアも絡めながら法廷慣れしてなくても楽しめるようにしてくれている気がしました。なんとなく続編もあるような感じもするのですが、あるのでしょうか、あったらぜひ読みたいですね。2020/04/05

ぴかりん

18
Kindleにて。龍臥亭事件の里美ちゃんが主人公。司法修習生となった里美ちゃんが、弁護士事務所に派遣され、岡山県総社市で起きた殺人事件の真相を探っていく物語。若い女性が主人公なので、今までの島田作品とは違った作風ではあるけど、ミステリーとしてとても面白かった。舞台がすべて馴染みのある地域ばかりで、それもまた楽しかったな。2021/08/22

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