出版社内容情報
牧村伸郎、43歳。元銀行員にして現在、タクシー運転手。あるきっかけで銀行を辞めてしまった伸郎は、仕方なくタクシー運転手になるが、営業成績は上がらず、希望する転職もままならない。そんな折り、偶然、青春を過ごした街を通りかかる。もう一度、人生をやり直すことができたら。伸郎は自分が送るはずだった、もう一つの人生に思いを巡らせ始めるのだが……。
内容説明
牧村伸郎、43歳。元銀行員にして現在、タクシー運転手。あるきっかけで銀行を辞めてしまった伸郎は、仕方なくタクシー運転手になるが、営業成績は上がらず、希望する転職もままならない。そんな折り、偶然、青春を過ごした街を通りかかる。もう一度、人生をやり直すことができたら。伸郎は自分が送るはずだった、もう一つの人生に思いを巡らせ始めるのだが…。
著者等紹介
荻原浩[オギワラヒロシ]
1956年埼玉県生まれ。’97年「オロロ畑でつかまえて」で小説すばる新人賞を受賞。2005年には『明日の記憶』で山本周五郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこまーぶる
203
ほっこりしながら、人生って捨てたもんじゃないな思わせてくれる一冊でした。多くの人が、あの頃に戻りたいな・・・と思っていると思うけど、この本の主人公は挫折を数回経験しつつ、現状の生活を受け入れていくわけであるが、こんな思いをしている人は感涙する場面もあるんじゃないでしょうかね。それにしても、大学時代の彼女の今の姿を確認したり、もし結婚したら・・・的な妄想には、結構ドキドキさせられましたね。そして、タクシーの設けるknow-howを詳しく解説してあって、タクシー運転手さんの入門書としても面白いかもしれないな。2014/09/22
ykmmr (^_^)
201
自称、元・『エリート銀行員』の伸郎の今は、しがないタクシー運転手。たった1つの上司とのやり合いで退職。家族の黒い視線と現職場の待遇もあり、鬱蒼とした日々を送っている。日々、タクシーを動かし、様々な道を通りながら、「あの時、銀行を辞めていなかったら?」時には、「(忘れもしない)元カノと結婚していたら?」と、こちらも様々な『人生の決断』を振り返る。上司の顛末や元カノの姿を眺めつつ、自分の今を照らし合わせ、「皆、それぞれ。」と思い直す事を繰り返し、今をしっかり生きる姿に変わって行く。2023/01/06
seacalf
183
元銀行員がプライドと鬱屈を抱えたままタクシードライバーになり「たられば」妄想を繰り広げながらも前に進んでいくお話。これまでとまったく違う仕事で懸命に頑張る話と思いきや、生々しい妄想や元恋人への執着、仕事仲間を見下し家族を顧みない自分本位さが続く展開なので読む本を誤ったかと思ったが、それはもちろん仕掛けがあった上でのこと、最後はきちんと納得するかたちでおさめてくる。「あの時にこうしていれば」と誰しも1度ならず頭によぎると思うが発想の転換と気付きと工夫の繰り返しで人は成長していく。そう人生は悪いものじゃない。2018/10/06
KAZOO
163
お気に入りさんの感想を読んで楽しみました。さらっと読めてしまいます。銀行員であった人物が支店長にいった言葉でやめざるを得なくなってしまい、タクシー運転手になります。そのいった言葉がなにかというのが気になっていたのですが最後に出てきます。タクシー運転手をしながらノルマなどにも追われつつ過去の学生時代を思い出したりして日常が過ぎていきます。その感情の推移などがこの物語をうまく作り上げている気がしました。2018/06/13
takaC
162
タイムトラベルものかと思いきや啓蒙書のようなものだった。割と苦行。2017/06/28