内容説明
画家だった叔父は、生涯、ただ一人の女性を描き続けた。火災で亡くなったその人を救うため、男は一九六一年の時代へと跳ぶ。自らの存在が消えてしまう危険をも顧みず―(表題作)。娘が拾ってきた一匹の猫。それが私の目にだけは人間の少女に見えるのだった。日々美しく成長していく姿に胸をときめかせて…(「ミカ」)。短編の魔術師が贈る、心躍らせる11編の物語。
著者等紹介
梶尾真治[カジオシンジ]
1947年、熊本県生まれ。’71年「美亜へ贈る真珠」で作家デビュー。’79年には「地球はプレイン・ヨーグルト」で星雲賞を受賞、短編SFの名手としての地位を確立した。2003年には『黄泉がえり』が映画化され、大ヒット。2005年には『クロノス・ジョウンターの伝説』が映画化・舞台化されるなど、常にエンターテインメント界に新しい風を吹き込んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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相田うえお
135
★★★★☆19029 バラエティ豊かな短編集。おススメです!① タイムマシン話。時空越えの解釈が斬新!過去に戻ると記憶も肉体もその時点に戻るので何も覚えていない。注意点は 自分の誕生前の時代に戻ると自身が消滅!面白い事考える作家さんですね。②これもタイムマシン話③脳の強制活性化話④暗殺集団話⑤激怒で破壊的超低周波の声が出る女⑥え"っ!ここで小説版鉄腕アトム?なんで?⑦母子。不思議で優しい話⑧飼い猫が人に見える?⑨口裂け女ね⑩ ダム建設で水没する村に分校の仲間が集まった。心温まる話⑪なぜか早口言葉の話。2019/03/31
Walhalla
28
全11話の短編集でした。バラエティに富んでいて色々な味が楽しめましたが、梶尾真治さんの作品は、奇をてらったものよりも素直に感動できる作品の方が好みです。2019/07/18
佳乃
26
短編でできていて、引き込まれるものとそうでないものがあったけれど、面白く読み進められた。不思議だけど心温まる話があったのもよしとします。2014/01/05
た〜
15
本格SFに不条理ギャグ、ちょっと不思議な話に泣ける話と幅広い短編集。それでいてすべての話がカジシンらしいのだから著者の作風の広さに改めて感心させられる。オチはひどい(褒め言葉)のが多い。2016/05/07
あぶらや
9
ちょっといつもとテイストが違うカジシン。怪奇とまではいかないものの怪しい雰囲気の話ばかりだ。気持ち星真一を思ってしまった。でも漂う切なさがやっぱりこの人の持ち味を出している。2018/04/23