内容説明
「ふたりのシンデレラ」を上演するため、合宿中の劇団を襲う惨劇。主役を巡り、女優や演出家が対立する中、一人は殺され、一人は失踪、一人は重傷を負い記憶を…。シンデレラが仕掛けた罠とは何か?事件の証人であり、犯人であり、犠牲者で、探偵役で、ワトソン役で、記録者で、容疑者で、そして共犯者でもある…一人八役の「わたし」が語る驚愕の真相とは。
著者等紹介
鯨統一郎[クジラトウイチロウ]
1998年、『邪馬台国はどこですか?』(創元推理文庫)でデビュー。傑作・怪作・奇作・話題作を連発する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
39
★★★良質ミステリー。とはいえ、途中で大よそは想定ができる程度に散りばめられたキーワードは、プロのミステリー作家でないためか。2015/07/29
coco夏ko10角
24
「一人八役」な実験小説。合宿中に殺人事件、孤島なので犯人は劇団員の誰か…。伏線もあったし消去法でいってもそうなんだろうけど、うーん。でも確かに一人八役だ。2019/05/22
きっちゃん
21
孤島で起こる殺人事件、犯人は9人の中に必ずいる。語り手は記憶喪失で・・・推理小説の王道ではあるが、犯人は予想通り。分かりやすい伏線てどうなんでしょう。それと、医学的な部分では、そんな短時間で出来るの?その後のフォローは?などツッコミどころ満載なのが残念。2014/12/04
TheWho
17
復絶頂な歴史解釈で異彩を誇る著者が描く、演劇の脚本と実際に起こった殺人事件が絡んだシリアスなミステリー。劇団の合宿で孤島で起こった騒動後に起きた殺人事件。容疑者は失踪し、容疑者の妻は記憶喪失。そして登場人物全員が、殺人動機を持ちグイグイと引き込まれていく展開に一気読みであった。そして驚愕な真相の結びに著者の新たな魅力を感じられた。既読の爆笑物とは違う面白い一冊です。2017/01/22
ササキマコト
5
冒頭でいきなりとんでもないことを言い出す「わたし」。分身の術?分かりそうで分からない、でも何となく予想がつくオチ。やr・・ごほごほ。細かい点ではおかしなところや解明されず流されたところが多々ありましたが、それらを吹き飛ばすパワーを感じました。最初から最後までシリアスでしたがあえて言いましょう。バカミスだろ、これ。先の展開が気になる一冊だったことは確かですが「好き嫌いは分かれそうだなー」と言うのが率直な感想。「六枚のとんかつ」なんかを笑って許せる人ならこの作品も楽しめると思います。2012/05/16