内容説明
(クリスマス・イヴに死のう)人里離れた山林に死に場所を求めた「僕」の前に、一台の車が現れた。やって来たのは、自殺サイトで知り合ったらしき男女6人―。彼らの最期を陰から見届けた僕は、その中の一人の美少女に目を奪われた。彼女のあどけない死に顔が、僕の冥い欲望に火をつけた…。人間の深い業を描き、戦慄の世界へと誘う衝撃の書。
著者等紹介
大石圭[オオイシケイ]
1961年東京生まれ。’93年「履き忘れた片方の靴」で第30回文藝賞佳作受賞。大ヒット映画『呪怨』シリーズや、カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品『オールド・ボーイ』などのノベライズでも知られる、ホラー小説界のヒットメーカー。ショッキングな題材を透明感ある美しい文体で綴る独自の作風で、着実にファン層を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mr.lupin
53
10年間引き込もっていた主人公が自殺をしようと山林に死に場所を求めてやって来たが、そこに一台の車が現れた。やって来たのは、自殺サイトで知り合ったらしき男女六人。そこから始まる主人公の異常な欲望。皆さんのレビューにあるように、「死人を恋う」まさにその通りの内容だった。しかし今回は全くもちろん共感も感情移入もなく、またストーリーも粗削りで、さらに突っ込みどころ満載だった気がする。それでも読みやすくて一気に読了させるのは大石さんの筆力なのかな。☆☆☆★★2020/05/29
らすかる
48
予約本が全くこないので図書館物色して借りてきた本。タイトルに惹かれたのだけれど、うん、そのまんまでした!! 死ぬつもりだったのに禁忌をおかす度に生きる活力がわく主人公。死んだ女性しかそそらない!! 主人公には微塵も共感しないけど、被害女性には共感できてしまった。仕事と家事と育児しかない生活。きっとずっとこのままで育児が済んだら疲れきったおばさんの自分がいて。そんなふうに考えて将来が味気なく前に進む気がなくなる気持ち、ありますよ。怖いですよ。んで死後まであんなんされたら浮かばれない!ネクロフィリア祭り!2019/10/22
佐伯
43
とても読み応えがあったな、そう思いました。 ちょっと似たような設定のところもあったけど、満足です! やっぱりさすがだな〜大石先生は。 最後の結末もとてもよかったです。2015/04/21
Satomi
10
死体を思うからなのかなぁ。切なく儚げな、なんとも言えない気持ち。エロス部分もそんなに嫌ではなくストーリーの一部分として読めた。 高校を中退し、そこから10年引きこもった彼が初めて愛したのは死体だった。って話。2017/01/04
おやぶん
9
タイトルからホラーかと思って読んでみると 違う世界が広がっていました。 10年の間引きこもっていた主人公がある出来事をきっかけに 死体に出会い恋に落ちてしまう。 死体ゆえの期限のある思いが次から次へとつながっていくことになる。 ある意味ホラーだけどそれほど不快になることなく読み終わりました。 一般的な映画になる事はないけどDMMなどで映画化されそうな内容かと思いました。2017/10/12