内容説明
初期に雑誌で発表されたままの、初めて本になる短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
70
司馬遼太郎による好男子達の活躍を描く初期短編集。新選組局長近藤勇の若かりし時を描いた「ただいま十六歳」目当てで読んだが、他の男達も魅力的。そればかりか、各編に登場する女性達のなんと魅力的なことか。読んで損は無し。★★★★☆2018/08/07
R
64
戦国時代から明治維新にかけての短編集。いかにも時代小説といった軽妙さと、その実、よくよく調べられた事実とまぜこぜになっている物語がすごくよかった。歴史短編という風情よりも、居たのかわからん人物が実在して、かつ面白くまとめられているのが素晴らしい。侍とそれ以外という書き分けや、人物の嗜好性といったものが、珍妙なやりとりと短い文章で十二分に伝わってきて、ぐいぐい読まされてしまった。血風録に入れてもよさそうな短編もよかったけど、やっぱりあの秀吉に出てこられたら、もう楽しくて仕方なかった。2021/12/24
優希
53
初期に雑誌で掲載されたものを文庫で読めるのが嬉しかったです。侍の人間臭さというものが凄く感じ取れました。戦国時代や幕末から題材をとっていますが、主人公は若干地味な印象があります。その分台詞とかが引き立っているような気がします。皆何処か不器用なのですが、だからこそ魅力的に見えました。また、脇で支える女性たちに不思議な存在感を感じずにはいられません。かっこ悪いけれど、そこがかっこいい侍たちの物語に魅了されましたね。2014/08/03
たつや
50
昭和34年以降の初期の短編集とのことですので、「豪傑と小壺」から読み始め、発表順に読んでみましたが、読みやすく、面白かったです。ふぐり占いとか、爆笑してしまった。石垣原の戦いは関ヶ原の地方公演のようなものという例えも、解りやすく噛み砕いてくれてるんだなあと、読み手への愛情?のようなものを感じ、三好、徹さんの解説も、解りやすくよかったです。司馬さんから届いたハガキのエピソード好きです。2016/10/08
kawa
45
戦国時代から幕末までの歴史のはざまで、無名ながら自らの生き方を貫いた不器用な武士と、彼らを支え彩りを添えた女性たちの物語。短編集、今から60年前の作品と思えないような充実の仕上がりであっという間に読了。みょうが斎の犬猫剣法が痛快、狐斬りでの角馬の切腹が凄い。2019/10/19