出版社内容情報
『半七捕物帖』は、著者綺堂が江戸末期の切絵図をはじめ、古今東西にわたる広汎な史料を渉猟する中から生まれた。 簡潔でメリハリのある文体に、江戸文化を身近に感じさせた、探偵小説の先駆的名作! 「新カチカチ山」「河豚太鼓」「吉良の脇指」等十編収録。(全六巻) シリーズ第一作発表以来、八十年以上経てなお色褪せぬ歴史的名作、より読みやすく新装刊。
内容説明
『半七捕物帳』は、著者綺堂が江戸末期の切絵図をはじめ、古今東西にわたる広汎な史料を渉猟する中から生まれた。簡潔でメリハリのある文体に、江戸文化を身近に感じさせた、探偵小説の先駆的名作!「新カチカチ山」「河豚太鼓」「吉良の脇指」等十編収録。シリーズ第一作発表以来、八十年以上経てなお色褪せぬ歴史的名作、より読みやすく新装刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
68
半七の活躍した時代はすでに幕末にさしかかっているので、事件に異人が絡んだりする面白さがあるが、「歩兵の髪切り」は戊辰戦争が密に絡んできていて出色の出来。まあ、ミステリとしてはかなり強引な展開が増えているのだけれど、半七親分の語る当時の風俗を読むだけでも充分に楽しめます。あと一冊ですが、もう一周してもよいかも。2022/03/27
saga
49
【古書】芝居好きの半七親分……ということは著者がそうで、「河豚太鼓」で子分の弥助のことを、「千本桜」から鮓屋という綽名が付けられたと書いている。義太夫語りの落語に親しんでいなければ、何のことか判らなかったろう。「幽霊の観世物」では江戸の小屋掛けのルールが知れて面白い。当時はお化け屋敷で人間が脅かすのはダメだったなんて。「菊人形の昔」「蟹のお角」は連作短編となって、お角のやり手ぶりに慄然とした。しかし、白洲での取調べで写真が決め手になるのも幕末ならではのことだ。2022/12/29
sin
48
どぉもいけねぇや!はじっからのことだがこの物語を読みはじめると頭の中に銭が飛ぶ♪インプリンチングてぇのか、ハズプロのドッグ(*^)/☆(+。+*)ハズプロちゃうやんパブロフやろ!つぅのか、ご幼少のみぎりにご覧になったあの親分のテーマソングが鳴り響いて止まらない。「あっ親分、下手人が逃げた!お得意の四文銭の出番だよぅ」「何っ!おいこら待てルパン」半七だっつぅ〜の(笑)2014/12/19
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
39
再読本。「新カチカチ山」「河豚太鼓」「幽霊の観世物」が印象的。導入部の作家の青年(綺堂)と半七老人の会話部分(季節の話、江戸時代の風俗の解説など)から小説部分(捕物話、手柄話)、そして、小説部分からまた、2人の会話へと戻る(種明かし、エンディング)。どの話も、だいたいこのパターンなのだけれど、スムーズに移行するので、違和感なく会話から小説、小説から会話へと読んでいける。何の気なしに読んでいたけれど、これはすごいことなのではないかという気がする。2016/12/19
佳乃
35
今作品は10篇からなるものですが、今の時代では治るものも当時は命脅かすものだったり、と時代の背景がみえていい。また、狐や狸に化かされただのと、全く今の時代からは考えられないことばかり。また、最終節の話では、なんともスッキリしないことで、下手人が逃亡を図るは、吟味中に命を落とすはで、半七親分のなんとも心情のことか・・・2016/08/03