内容説明
もと消防署だった建物を購入した男は、施設の一部として残った「見張り塔」から、毎日写真を撮りつづけた。聳え立つ富士を背景に、ソープランドの屋上に立つ“自由の女神像”。ある日、その女神の目が異様に赤く光る瞬間があることに気づいたとき、男の平穏な日常を襲う衝撃的な事件が…。(表題作)奇抜な着想で鬼才が放つ、トリック&サスペンスの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coco夏ko10角
23
初期の三作品が収録されてる中編集。『ドアX』最後でXのドアそれか~!と。懐かしい。『首都高速の亡霊』この死体移動、しまそー先生らしい。『天国からの銃弾』風俗店の屋上にある自由の女神の目が光ることがあり…。主人公が頑張って探偵してるかと思ったら…この収束好きだな。2021/03/09
よっぴ
16
短編集、ミステリ。。昭和の香りがプンプンとする短編集で、表題を含めて比較的長めの3本で構成されています。。作者の本は勿論、御手洗シリーズが好きなのですが、他の話も読んでみたいと思い手に取りました。結果は予想していたよりも、作者ならではのぶっ飛んでいる短編集であり、予想をしないところからドーンと結論が飛んでくる感覚も味わえます。奇想天外な展開は読者を選ぶかもしてませんが、御手洗ファンなら必ず楽しめるでしょう。2017/10/10
Tetchy
16
ノンシリーズ物の中編集。ハリウッド女優を夢見る女性のあまりに出来すぎた世界が語られる「ドアX」はその明かされた真相からして長編『眩暈』の変調のような味わいがある。ネタが早く割れてしまうのが瑕だが。「首都高速の亡霊」はタランティーノの映画に触発されたような内容。あの異様な姿勢の死体は島田ならでは。最後の「天国からの銃弾」は島田的ロス・マクドナルド調綺譚といった感じで、結構好きな一編。ただあの真相には伏線が必要。各編面白いが、どこかに納得の出来ないところがある惜しい中編集。2009/08/03
すきま風
15
流石の島田さん。予測していない展開に驚かされる。毛色の違う、中編三編。中でも、天国からの銃弾はぐいぐい引き込まれた。お年を召したご老人に、あそこまでの事ができるのか?という疑問は残るが、物語は鮮やかに収束する。上手い!2013/06/03
あっちゃん
13
三編の中では、「ドアX」が気に入った!今では、よくある内容かも…だけど、この手の話けっこう好き♪2012/05/05