内容説明
伊豆火山群大噴火、関西に広がる地震多発現象。田所博士が日本列島の沈没を予告するなか、東京は第二次関東大震災の直撃をこうむった。日本中は混乱に陥っていたが、しかし日本人の国外脱出と資産退避を計る巨大プロジェクト“D‐2”計画は進行中だった。…一億日本人の国外大移住は可能なのか。地震国である日本の宿命と、日本人の未来を鮮やかに描いた大巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
背番号10@せばてん。
31
【1974_日本推理作家協会賞】【1974_星雲賞】【1973_新風賞】2000年5月16日再読 (初読は1975年、カッパノベルス)。初読から複数回、読んでいるにもかかわらず、あらすじは忘却の彼方。2000/05/16
Kaz
11
40年前に発表され、18年前の阪神淡路大震災時に再発行された「日本沈没」。南海トラフ大地震の危険性が叫ばれる昨今。本書に著されている内容は、決してSFなどではない。最悪の事態を想定したシュミレーションは、国家レベルはもちろんのこと、個人のレベルでも必然である。自分はその時どう行動すればいいんだろう・・・?2013/01/08
むた
10
いやいやこれはすごい小説。タイトルも知ってたし漫画や映画化されているのも知ってたけどこんなに古い作品だとは知らなかった。驚くべきはその圧倒的な緻密さ。作者はどんだけ取材や執筆に時間かけたんだろうと思いながら読んでたけど、9年かけて書き上げたらしい。そら9年くらい余裕でかかるわ。おれなら180年くらいかかると思う。それほどのリアリティー。読むべし。2018/02/10
ケルトリ
8
上巻とは変わってテーマとなる『日本を失った日本人はどうなるのか』が主題となってくる。上巻は地震のメカニズムを中心とした話だったが、下巻では日本の未来がなくなることが分かった時、国債や株式、不動産、日本銀行券の扱い――なにより難民となった日本人の受け入れ先の難航といったことがとてつもないリアリティで書かれている。本当に作者はこの光景を目の前で見ているのではないかと思えてくる。繰り返すが、これほどの小説が大震災という言葉が一般的でない時代――1973年に書かれたなんて……すごすぎる2021/03/25
文章で飯を食う
8
この小説の中で、科学に対する態度を書いているが、現在にも通じるものがあるなー。2011/03/26