光文社文庫<br> 東京下町殺人暮色

光文社文庫
東京下町殺人暮色

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  • サイズ 文庫判/ページ数 303p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334719449
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

13歳の八木沢順が、刑事である父の道雄と生活を始めたのは、ウォーターフロントとして注目を集めている、隅田川と荒川にはさまれた東京の下町だった。そのころ町内では、“ある家で人殺しがあった”という噂で持ち切りだった。はたして荒川でバラバラ死体の一部が発見されて…。現代社会の奇怪な深淵をさわやかな筆致で抉る、宮部作品の傑作、ついに文庫化。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

191
2つの事件。殺人と死体遺棄。画家が疑われる。怪しいのはむしろ。 推理小説としての複雑さは十分。死体遺棄の根拠はわかったが、殺人の必然性が希薄。主人公と家政婦の活躍は小気味よいが、画家の娘と殺人者の姉のが置いてきぼりのような印象。不完全燃焼。2013/05/16

mura_海竜

126
今年になって宮部さん読んでる。それも初期の作品多い。図書館のリサイクル本を順番に読んでるとそうなる。荒川で見つかった女性バラバラ死体。日本画壇の異端児、篠田東吾が疑われる。とても震え上がる残虐事件が下町色を加えると「暮色」に。刑事八木沢道雄とその息子、順。偉いなあと感じたのは、順が細かいところまで、あったことをお父さんに報告してたこと。そして、大正生まれ、八木沢家家政婦ハナがよい感じ。どういった人生を歩んできたのだろう。こういった方は少なくなった。チェーンレター、東京空襲、錦糸公園、世代を超えた恩。2017/08/10

レアル

98
宮部さんのミステリ。少年法に絡んだ未成年犯罪を描いた作品。「ごめんで済んだら警察はいらない」に対して「ごめんという気持ちがあれば警察がいらないことはいっぱいある」という言葉に妙に納得した。面白かったし、人物像の描写も魅力的。作品に散りばめられた映画の話も楽しめた。でもラストが急ぎ過ぎたのと、犯人の人物設定がイマイチな感じがして、宮部さんの作品としては物足りないのが少し残念。。2015/02/09

扉のこちら側

98
初読。冒頭の事件発覚の描写が怖かった。携帯とメールがない時代らしい話だった。2013/11/04

Tetchy

92
この作家が上手いと思うのは普通に暮らしている人々に犯罪が関わったとき日常生活にどのような変化が訪れるのかを丹念に描いているところ。個人が築き上げてきた何かが第3者によって蹂躙される不快感、世間が向ける視線の痛烈さ、犯罪というレッテルを貼られることの悲壮感が非常によく描かれている。本作は当時の少年法に対する作者なりのアンチテーゼといった意味合いも含んでいる。真相についてはちょっとある人物の行動に自己矛盾が感じることもあり、私自身は全面的に受け入れることが出来なかった。2009/09/15

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