内容説明
嵐の夜、悪魔は１８歳の美少女スター松永栞に襲いかかった。毒殺、絞殺、撲殺、刺殺、溺殺。彼女は一瞬にして五通りの方法で殺され、その直後に、悪魔はマンション四階の部屋から忽然と姿を消した。謎に包まれた五重殺の解明に捜査一課の田丸警部と精神分析医・氷室想介が取り組むうち五重殺の各手段を使った戦慄の連続殺人事件が発生。犯人が牙をむくラストは圧巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっぴー
61
第八回横溝正史賞候補作『仮面劇』を改題。生きている間に、なんと五通りの殺され方をした女性。毒殺、絞殺、撲殺、刺殺、溺死。こ、こりゃすげえ、、、しかも殺されたのは、将来が約束された女優の卵。芸能界の闇が深すぎる。そして日本を遠く離れたニューヨークでも、彼女をプロデュースした芸能関係者が、次々と謎の死をとげる。これ、なんで受賞を逃したのか不思議でならない。探偵役が探偵してないのがネックと言えばネックかもしれませんが、私はとても楽しめました。2017/12/07
Yu。
25
並みいるライバルを跳ね除け見事スターの栄冠を勝ち取ったその数時間後、彼女は殺された‥ それも毒殺、刺殺、絞殺、撲殺、溺殺といった五通りの方法で。。生前彼女がどれだけの恨みを買ったというのか、また複数の容疑者が浮上するも今度はその彼らが五通りあるいずれかの方法で次々と消されてくという謎に包まれた連続殺人の真相に迫る“精神分析医”氷室想介と頼もしき仲間たちの活躍が描かれるシリーズ第三弾。おもしろい！！負が負を引き寄せ、気づけば負の総合芸術が完成してしまう究極の皮肉ぶりに痺れます。2017/02/21
coco夏ko10角
19
氷室想介シリーズ。毒殺、絞殺、撲殺、刺殺、溺殺と五通りの方法で殺害された美少女、さらに事件は続き…。著者の他の作品で何度かこの五重殺が話題に出てきて気になって手に。五重殺の真相そうだったのか！と。途中の連続殺人も…「絞殺」の状況すごい。シリーズの中でも面白かった。2022/01/29
さるまる
16
凄く昔に読んだ記憶があるのだがたまたま見つけたので再読。 5重殺という殺し方に謎が集中した傾向としては少し変わったミステリーな感じがします。作者は大変多作で趣向もいろいろ凝っていた作風だったと記憶しています。結構いろんな作品を読んだのですが、多作な分、少し軽いかなぁという感じは否めません。短編のほうが生える作品がたくさんあります。この作品も何か無理やり長編に持ってくるためいろんなところを引っ付けた感があります。ただ、作者はもうお亡くなりになっているため新作は期待できないので少し残念です。昔を偲びながら合掌2020/11/16
カニック
6
同時に5通りの方法で殺人を犯すという一見奇天烈な出だしでしたが、読み進めていくごとに引き込まれていきました。古い作品でも、まだまだ沢山の秀作が埋もれているんだろうな。2024/03/05
