内容説明
「現役偶然、一浪当然」といわれる大学受験。津吹淳一は、現役で共通一次に挑戦、私立も二、三受けてみたが、予想どおり全部失敗。いよいよ浪人生活へ。通い始めた予備校で、仲間もできた。同じ高校のバンカラ片山。おかま言葉の大道寺。ロリコン趣味の気弱な吉沢。なぜかヘンな奴ばかりでユーウツな毎日だ。文壇随一の奇才が描く、哀しくもおかしい青春群像、第一弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
puu
13
もう20年以上前になるがかつて浪人して予備校に通っていた。それなりに勉強もしたが高校生とは違った遊びの誘惑にも抗えなかったな。楽しかった思い出もあるが大学生のようなカラっとした思い出ではなくジメっとした思いが思い出される。この小説はそんな事をずっと思い出させてくれる自分にとっては大切な本。もう30年ちかく前の小説だがいつの時代にも通じる浪人のモヤモヤとした気持ちが瑞々しく描かれた青春小説。本の整理をしていたら出てきたので懐かしくて一気読み。 あの頃清水義範にはまっていたんだよなぁ。2020/02/11
本田英二郎
3
ユニークに富んだ文章が多く、軽快に読み進められる本です。 なんといっても、本に出てくるキャラクターたちが、個性的であり、また愛らしくみえます。主人公が、時に問題に直面して苦悩したり、愛に目覚めて有頂天になったりするさまは、人間臭さが感じられると思います。 古本屋でみかけたら、少しだけでも読んでみてください。あなたの目が、この本の文章に触れたとき、その瞬間からあなたは、清水義範先生のユーモアに心を動かされると思います。2011/09/06
ぽけっとももんが
2
ストレートにまぶしいような青春小説。浪人生たちが主人公なので鬱屈したものはあるけれども、明るくてまっすぐ。奇しくも併読が朝井リョウ氏「何者」で、あれも就職活動とはいえ閉塞感の中の自由をSNSという小道具を用いて雄弁に語っている。方や泥臭い20年前の浪人生、方やスタイリッシュな現代の就活生。隔絶の感あり。でもうらやましいのがどちらかは、問うまでもない、と20年前の大学生だったわたしは思う。2014/06/28
ももお
1
★★★★★ 高校生のときに、先生に勧められて読んだ3部作の小説。読書が好きになるキッカケになった本。
がっきー
1
これが浪人かーって思いました。 来年は受験生になるから、頑張ろう!って思える作品でした。 この本はぜひ、受験を控えている人に読んでほしいです2016/10/16