出版社内容情報
不均衡な社会に生きるすべての女性の人生に寄り添い、自身の贖罪とともにエールを送る、上野千鶴子渾身の一冊。
“わたしはこれまで何度も「どうせ世の中は変わらない」という諦めの声を聞いてきました。でも、そうでしょうか。(中略)あなたには、ほんの少しでも社会を変える力があります。いまよりちょっとでもマシな社会を、あとから来る人たちに手渡すために。”――序章より
内容説明
「仕事」「結婚」「教育」「老後」ステージごとに社会と人生を問う全四章。
目次
序章
1 仕事
2 結婚
3 教育
4 老後
終章 これからのフェミニズム
著者等紹介
上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年、富山県生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了。社会学博士。社会学者、東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。女性学、ジェンダー研究のパイオニアとして教育と研究に従事。高齢者の介護とケアも研究テーマとしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あみやけ
37
フェミニズムの本でしたね。まぁ、こういう考え方も一意見かなという程度です。自分はあんまり男女格差のない仕事をやってきてるし、子どももいないし、あんまり実感できなかったというのが本音です。あと、最近、いろんな分野の本を少しずつですが読むようになって、この国の社会保険制度は充実しているなと感じています。それにはやっぱり感謝しないと。裏金は大問題ですが、消費税をなくせばバラ色の社会がまっているとか、誰かさんが考える程現実は甘くない。あと、人のせいにせず、主権者としてできることを考えたいですね。みんなで。2024/03/05
おさと
12
この状況は政治による人災、男は論理じゃなく利権で動く、という言葉にしびれた。2024/03/10
Kooheysan
12
「こんな」社会の実像がコンパクトにまとめられており、かつ有益と思われる具体的な提案もあり。さすがです。でも個人的には「誰が好きで打たれ強くなりますかいな。」(p.80)の一言にぐっと来ました。現状を知ってなお、妙な平等意識や自己責任原則を持ち続けることの罪深さ。それを打破するために喧嘩上等の覚悟で発言しつづけてきた筆者(を含むたくさんの先人たち)に敬意を払いたいです。2024/03/06
K1
12
ごめんなさいと言わなくてもすむ社会を手渡すためにーこれまでとこれからが書かれています。少しずつですが、変わってきています。この流れを止めないようように自分にできることは?2024/02/25
まゆまゆ
11
困っている人達を追い詰める「自己責任」というキラーワードが社会に浸透しているせいで、競争から降りて安心して弱者になることができない社会になっている日本。それでもかつての男尊女卑時代からはいくらかマシになったと感じるのは、女性問題に取り組んできた先人たちの怒りと行動のおかげでもある。少子化のおかげか自分を第一に考える女性が増えている、のだろうか…2024/03/05