内容説明
中世ペルシアによく似た異世界の英雄物語―。周囲を難敵に包囲され、パルス国は絶体絶命の窮地に追い込まれた。解放王アルスラーンはシンドゥラのラジェンドラ王とのある交渉をジャスワントに委ねる。その頃、パルス国内では、先王アンドラゴラスが生きているという流言が広がり始めていた。新マルヤム国王ギスカールと手を結んだヒルメス、魔将軍イルテリシュに率いられたチュルク軍、孔雀姫フィトナを押し立てたミスル軍、そしてついに復活した蛇王ザッハークと魔軍!!パルス軍に打つ手はあるのか?蛇王ザッハークを討つことができるのか!?伝説的ベストセラー、堂々完結。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナルピーチ
144
遂に最終巻、永かったアルスラーンの戦記も幕を閉じる。蛇王ザッハークとの最終決戦は壮絶な死闘となり、十六翼将らが果敢に立ち向かい、やがてアルスラーンとの直接対決へと話は進む…。二人の闘いの果てはどうなったのか?!そしてその後のパルス国はどうなったのか?!最初から最後まで楽しく読ませてもらったが、物語としては第一部までがピークで、第二部に入ってからは結末に向けて足早に進めてしまった感じが否めない。いずれにしろシリーズ読了出来て良かった。ヤシャスィーン!!2021/03/17
おかむー
127
「30年かけた結末がこれか…」に尽きる。ある意味で予想を裏切らないというか、前巻の時点で「ただ終わらせるためだけの詰め込みだろう」と思っていたらまさにそのとおり。ナルサスがいなくなった途端、戦略も頭脳戦もかなぐり捨ててアルスラーン側vsそれ以外の全部をひとまとめの戦場に押し込んで潰し合わせただけの最終決戦。蛇王ザッハークの衝撃の真実も“今更ソレがなに?”。若き王を盛り立てて理想の国を目指す政治はどこいった?終章の後日談をなんとなく神話チックにまとめて…ほぼ夢オチと変わらないですね『もっとがんばりましょう』2017/12/16
あも
106
完結したことだけが救い。全16巻のサブタイを順番通り盛り込んで憤りを表現します→炎上必至の最終巻。王子二人の魅力は落日の如く、汗血に塗れた英雄達は見せ場すらなくあえなく無駄死に。残るは積み上げてきた物を30年の時を経て破壊し尽くした作者の孤影のみ。読者の期待は風塵の如く散り、王都奪還までの面白さは仮面に過ぎなかったと痛感。輝かしい旌旗の筈だった著者の名は2部再開以降、妖雲と魔軍に飲み込まれ続け、最終巻でも暗黒の様な悪夢は再臨。読者の嘆きが天を鳴らし、戦旗は虚しく倒れ、残るは無限の寂寥感のみ。ふざっけんな!2017/12/19
まりも
103
16冊に及ぶアルスラーンの物語ここに完結。完結を迎えたのは嬉しいけど、もう少し何とか出来んかったのか。第1部で感じたあの高揚感、血湧き肉躍る熱量に溢れた展開、結局この2部では最後までそれらを感じる事なく終わってしまったような気がする。前巻以上にアッサリと殺されてしまうキャラ達。申し訳程度の伏線回収。その全てがあまりにも雑で読んでて悲しくなりました。蛇王の設定も適当極まり無いし、正直この第2部はただの蛇足やったな。1部で終わってたら完璧やったのに、パワーダウンが酷すぎるわ。完結しただけ有難いと思うべきか。2017/12/17
p.ntsk
74
辛口御免。シリーズ終盤から兆しはあったけど形だけ風呂敷を畳んだという印象が拭えません。薄っぺらい感じで終わってしまったのが壮大なヒロイック・ファンタジーの終焉としては寂しい限りです。大陸公路を舞台にした諸国の攻防と王位継承をめぐるアルスラーンの成長物語のままいっていたら…。スケールを広げようとしたのか蛇王ザッハークと魔軍を登場させたあたりから方向が変わってしまったように思う。中東を彷彿とさせる異世界物語に胸を躍らせた第一部が非常に面白かっただけに残念。ひとまずゴールテープを切ったことは評価したいです。 2018/01/28