カッパ・ノベルス
ラミア虐殺

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  • サイズ 新書判/ページ数 275p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334075422
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

「僕は自分が犯人ではないことを知っている。つまり殺人鬼は他の、誰かだ。それを突きとめられないなら、全部殺してしまえばいい。その方が、自分が殺られるよりは、はるかにいい。疑わしきは、罰せよです」吹雪の山荘で起こった連続殺人。残された謎のメッセージカード。犯人を探そうとしない滞在者たち。ここには、人倫も尊厳もなかった。殺すか、殺されるか。その二つだけがあった。極上にして凶悪。鬼才渾身の「背徳の本格」、出現。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

254
伏線はあるが、終盤の突き抜けた展開には度肝を抜かれる。『バラバの方を』のあとがきを読むと、当時の飛鳥部氏には、物語の尺に対する美学があった模様で、ゆえに削ぎ落し過ぎてしまっているようにも感じる。個人的には1.5倍くらいの長さでじっくり読ませて欲しかった。帯で過激に煽っているわりに、少々暴力的な人が2人ほどいるだけで、そこまで悪虐非道っぷりはない。しかし、訳の分からない不気味さは終始漂い、まさに飛鳥部作品。ミステリー面はそれほど凝った造りではないので、世界観自体を認めるかどうかで大きく評価が分かれる。2016/11/01

nobby

100
いやー、評判通りぶっ飛んだ!そして感嘆した!ほぼ順番に読んできての飛鳥部作品、まず自作絵がなくて驚き。表紙の長編本格推理からの雪山クローズドな連続殺人模様に期待高まる一方で、序章で語られる怪しげな世相や序盤で思わせぶりな左手描写に臨戦態勢整える。人物視点変えて短い章での場面転換が抜群で、とにかく読みやすい。普通にミステリーしてたら最後に想像を遥かに上回る爆弾投下!そこから陳腐に終わらない一捻りや、細かくも作品全体のテーマとしても伏線回収されており、お見事!2016/12/29

★Masako★

80
★★★★久しぶりの飛鳥部さん♪いや〜、なんとも不思議な読後感!序章が怪奇SFっぽくてワクワク!と思ったら、あれ?クローズド・サークルもの?元傭兵で今は探偵をしている杉崎廉。ある一族のお嬢様・美夜の依頼でボディーガードをする事に。吹雪の山荘で起きる連続殺人。死体に残される同じ内容のメッセージカード。本格ミステリの形をとりながらも序章が暗示する異様な空気が漂う。読みやすさもありページを捲る手が止まらない!終盤の緊張感みなぎる展開と犯人の驚きの動機、終章には美しさすら感じた。飛鳥部ワールド凄い!【図書館本】2019/06/20

aquamarine

76
初読み作家さん。読友さん絶賛の「黒と愛」を読むためにまずこれを。「背徳の本格」ってなんだよ、と思いながらの読み始めでしたが普通じゃないことが隠されているのはすぐわかりますし、それに加えて吹雪の山荘!連続殺人!面白くないわけがないじゃないですか。これを本格と認めるかどうかは賛否あるのでしょうが私は中身は意外にもちゃんと本格だと思います。最後の畳みかけるような展開はワクワクドキドキ。ラミア虐殺かー。万人受けはしない作品です。というかダメな人はダメだと思います。でも私は楽しかったので「黒と愛」も楽しみです。2015/11/26

雪紫

65
再読。狂ってるのは状況か当事者か。この吹雪の箱庭、やっぱり最初から最後までトチ狂ってる・・・。まともな伏線アリや初見で気付いたら頭奇妙しいだろ。な伏線アリで。いや、初見から終盤の展開は散々伏線張ってたからそういう展開行くんだろうとは思ってたけどそれでも、そこ越したら斜め上行くよなこれ・・・。いや、まあそこもある意味魅力的というか飛鳥部さんの今の方向性伝えるには最適なんだわこれ・・・。2024/01/04

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