内容説明
林真紅郎は三十五歳の元法医学者。妻を事故で亡くしたことがきっかけで大学を辞めてからは、「隠居」生活を送っている。そんな彼が出会う不思議な五つの事件。バラバラに見える謎すべてが脳裏でシンクロした時に見える真相とは?初期メフィスト賞が生んだ異才、待望の最新本格推理。
著者等紹介
乾くるみ[イヌイクルミ]
静岡大学理学部数学科卒。1998年、『Jの神話』(講談社)で第4回メフィスト賞を受賞し、デビュー
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感想・レビュー
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雪紫
30
再読。妻を亡くして隠居生活な元法医学者林真紅郎が遭遇する5つの謎。乾さんが習作の時から使ってた探偵だからか解決編前のシンクロする。という文にダジャレやん!というツッコミが先に出てしまう。なお、内容は全短編オチを覚えてる。特に「雪とボウガンのパズル」とか、忘れられる真相じゃないし。昔読んだ時は短編集を出してなかったせいか「雪とボウガン」や「ひいらぎ駅の怪事件」が乾さんらしいぶっ飛びぶりだなあと思ってたけど、今読むと「過去から来た暗号」が一番乾さんらしいと思う。解読表と合わせて笑うのは読んだ人が通る道(笑)。2020/03/20
☆初音☆
10
五つの短編集。林兄弟の四男の真紅郎の話。さらっと読める。2014/04/09
hamham
8
乾くるみの林シリーズはちょっと…と思っていたのだがこれは良かった!真紅郎は背が高い以外ほぼ特徴がないキャラだが、作者と真紅郎の付き合いが長いだけに、等身大の人物が生き生きと描きだされている。キャラを生かすのは特殊な設定や外見ではないと改めて感じた。他の兄弟も作者との付き合いが長くなってリアリティを帯びるのを期待します。『過去から来た暗号』の「シンクロしない……シンクロしない……」は笑った。もちろん暗号も解きました。真紅郎の途中解答がまったくの的外れなのも笑った。2014/08/06
くろまて
5
シンクロ率が400%を超えています!彼が犯人です!2009/03/11
もぐもぐチョビたん
4
真紅郎がシンクロする(=^ェ^=)35歳の元法医学者が名探偵。あまり経歴が生かされてない気がするけどね(^^;ライトノベル風でサクサク読めるのがいい。本格のようでいて論理の組み立てや着地点が意外な方向にいく。ホームズの踊る人形を彷彿とさせる暗号の解読THE日本語バージョンが面白かった。2015/01/31