カッパ・ノベルス<br> 恋霊館事件

カッパ・ノベルス
恋霊館事件

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  • サイズ 新書判/ページ数 421p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334074241
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

一九九五年一月十七日。未曾有の揺れが神戸を襲った…阪神淡路大震災。私立探偵・有希真一も、自宅と探偵事務所を失ってしまう。そんな有希のもとに奇妙な事件の捜査依頼が。密室状況にあった簡易住宅で自殺死体が発見された。だが、動機に不審な点が…。有希は、振子占い師の雪御所圭子とともに、密室の謎に挑む!ほかに、呪いの椅子にまつわる密室殺人、遠隔殺人機による奇妙な殺人、異人館消失のミステリーなど、震災直後から今日までの神戸を舞台に、二人の探偵コンビが不可能犯罪の謎を解く!鮎川哲也賞受賞の俊英が放つ、本格推理の快作、書下ろしで登場。

著者等紹介

谺健二[コダマケンジ]
1960年、兵庫県生まれ。デザイナー学校を卒業後、アニメーターとして活躍。97年、『未明の悪夢』で第8回鮎川哲也賞を受賞。作家活動に入る。ほかに『殉霊』など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にゃるび

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舞台が阪神淡路大震災のため、今読むとものすごく感慨深い。解説の人も言ってるけど、表現力のリアルさの勝利かも。正直ミステリーとしては…あんまりなのが残念といえば残念。2012/08/29

ako

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阪神大震災の最中とその後におきた事件の短編集。「仮設の街の幽霊」の謎は「仮設の街の犯罪」で解決される。阪神大震災の苦しかった時期を思い出しながら読みました。2012/03/21

kaneo_

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阪神大震災の被災者をその克明なかつ語彙に富んだ描写で描く『未明の悪夢』に連なる連作短編集。第二、第三の災害と表される苦境と混迷は畢竟読み手に逃れられない「重さ」を与え、相対的に事件に瑣末な印象を与えうる。しかし、作者はその偏りすらも迷える探偵を通して描く事で「人とはどうあるべきか」を考えようとしていると感じる。表題作『恋霊館事件』がベスト。館の消失、神戸のシンボルに括り付けられた遺体という謎と二転三転する解決、終盤フーダニットからホワイダニットにスライドする手腕は見事。2011/01/29

ケイト

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二十年前の刊行ながらおどろくほど現代に通じるものがあります。全五話から成り立っていて(うち一話は前後編)、被害者がろくでなしやひとでなしばかりなのは、謎に集中できるように、被災者・被災地の現実がよく見えるようにという作者の心配りなのでしょう。「人は結局死ぬのよ」ある登場人物の言葉で、たしかに巨大な悲劇のあとではトリックや謎解きなんて何の意味もないかもしれない。だけどそれが、終わらない「震災」の中で、それでも生きなければならない、生きていこうとする人たちに力をあたえることもあるのでしょう。圭子さんのように。2021/04/10

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