内容説明
昭和五年七月。豪華客船・箱根丸は、横浜を出港、倫敦に向けて旅立った。しかし、船出早々、横浜で起きた奇妙な殺人事件の容疑者が、箱根丸に乗船していたことがわかり、大騒動に!さらに、男爵令嬢の逃亡事件、船内での殺人事件、幽霊船騒動等々…箱根丸の“訳あり”の船客たちが引き起こす奇妙な事件ばかり。そして意外な名探偵まで登場して…。切れ味鋭いトリックが満載!女流本格推理の旗手が放つ、お洒落で小粋なオムニバス・ミステリーの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
21
「海神の晩餐」同様昔の時代の船を舞台にしたオムニバス短編集。毒少なめでライトな若竹さんだけどおてんばお嬢、悪ガキ、わがまま女、幽霊、猫など若竹さん好きにはニヤリな要素はてんこもり(平常運転ともいう)。ミステリ部分もなかなかひねってます。あらー、初子お嬢様や猫の話こう来るのね、な感じで(ニヤリ)。2019/09/02
那由多
14
『海神の晩餐』の続編と勘違い。別物です。昭和初期の豪華客船を舞台にした、オムニバスミステリ。
星落秋風五丈原
14
昭和5年7月。豪華客船・箱根丸は横浜を出発、ロンドンに向けて旅立った。しかし船出早々横浜で起きた奇妙な殺人事件の容疑者が箱根丸に乗船していた事がわかり大騒動に!さらに男爵令嬢の逃亡事件、船内での殺人事件、幽霊船騒動等々…箱根丸の訳ありの船客達が引き起こす奇妙な事件ばかり。そして意外な名探偵まで登場して…。オムニバスミステリー。本当にあった箱根丸を登場させている。第六話「船上の悪女」はいたずら好きの少年の意想外の真実が明らかにされる。2001/05/02
calaf
9
箱根丸というのは、日本郵船所属の、実際に建造されて就航していた(もしかして現在も現役???)客船なのですね。検索したら、岡本太郎氏も乗って欧州へと渡ったらしい...それにしても、夏にこの航路は本当に大変そうだ...特に昔は、たとえ一等客室であってもエアコンなんてなかったでしょうし (^_^;;;2011/07/07
しまみみ
6
まったく葉崎とは無関係の時代が違うオムニバスミステリ。横浜からロンドンへ向かう巨大船舶の中で起こる様々な事件。名探偵は一人とは限らないということね。 2017/03/29