内容説明
「新宿鮫」―新宿署刑事・鮫島を犯罪者たちは恐れをこめてこう呼ぶ。覚せい剤、人間を蝕む戦慄の薬。新宿に、舐めるだけで効く危険な新型が。密造犯は、財閥・香川家の昇・進兄弟だった。流行する薬を狙う藤野組・角の巧妙な罠で、弟・進が覚せい剤地獄に。しかも事件に隠された哀しい秘密を、さらに狙う者が。一方、薬を激しく憎む鮫島は、懸命に密売ルートを探る。が、次々に手掛かりを絶たれ、麻薬取締官からは露骨な妨害。苦闘する鮫島に兄・昇の脅迫…暴走する進を角から救えというのだ。昇の手には鮫島の恋人・晶。名実共に現代を代表する超人気シリーズ第四弾、第百十回直木賞受賞の感動巨編。カッパ・ノベルス版で待望の登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
190
今更言わずと知れた名シリーズです。シリーズ全作読んでおり、その中でもぶっちギリで好きな作品で、「直木賞」受賞はダテではなく、会話から展開、登場人物の心理描写、ミステリーの要素全てにおいて圧巻です。今作だけ(から)読み始めても、十分楽しめると思います。とにかく読みやすく、流れるように文字を追ってしまうので時間がアッという間に経過してしまいます。ハードボイルドや警察小説、ミステリーに若干の抵抗ある方も、ストレスなく読めるのではないでしょうか。大沢在昌さん未読の方は是非、今作からの挑戦を是非ともオススメします。
Tetchy
35
忙しい中で読んだにも関わらず、ストーリーがしっかりと脳裏に刻まれていく巧みなストーリーテリング。傑作!2008/12/31
ドラちゃん♪
25
新宿鮫第4弾! 毎回面白い!2014/05/05
bluemint
10
4作目にも関わらず質が全く落ちず面白かった。20年以上も経ってシリーズをまとめて読めるのが嬉しい。鮫島、麻取、地方財閥、暴力団、それぞれの思惑が交差し、心理的な読み合いが緊張感を高めた。うまくストーリーに当てはめた様な、出来過ぎだと思うところもあるがしっかりまとまっていた。徐々にじっくりと、周りから網を絞る様に逃げ場を遮断して追い込む暴力団の切れ者の手口が、背筋をゾクリとさせた。相変わらず桃井課長が泣かせる。男だねぇ。2021/10/21
ウィン
9
相変わらずこのシリーズのクオリティは安定している。当時の大沢さんが、「新宿鮫」だけ重刷がかかる、とあとがきに書いていたのも納得できるかもしれない。大まかなストーリーは、キャンディ型の覚醒剤を追うにつれて、様々な人たちが関わってくることに……、というものなのだが、無論これだけでは終わらない。各人の思いが交錯し、そして事件の主犯格が読んでいる側で、コロコロと変わっていくのも面白い。悪役を悪役と切り捨てないところがこのシリーズの特徴の一つではないかと思っている。目的は事件の解決であり、成敗ではないのだろう。2010/11/21