カッパ・サイエンス<br> 少女民俗学―世紀末の神話をつむぐ「巫女の末裔」

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カッパ・サイエンス
少女民俗学―世紀末の神話をつむぐ「巫女の末裔」

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  • サイズ 新書判/ページ数 249p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784334060428
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0230

目次

プロローグ―誰もが「少女」である時代
〈制服〉―「少女」はいかにして誕生したか
〈変体少女文字〉―消費社会を呑み込む「かわいいカルチャー」
〈部屋〉―「精霊」たちを迎える場所
〈学校〉―束の間の「無縁の場」
〈リカちゃん人形〉―母親像の少女化が生んだ「母子枢軸」
〈ポエム〉―日常に滲み出した「叙情画の世界」
〈朝シャン〉―ケガレをきらう都市の「巫女」たち
〈噂話〉〈怪談〉―「霊界」からのメッセージ
〈おばあちゃん〉―「無垢な、かわいい」私たち
〈男の子〉―「飛べない少女」と「空を飛ぶ神々」
〈卒業〉と〈死〉―手さぐりの「通過儀礼」
エピローグ―「少女」はわれわれをどこへ連れていくのか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

九曜紋

10
再読本。1989年(平成元年)初版。生物学的な「少女」だけでなく、消費するモノ、消費されるモノ、「記号」としての「少女」を民俗学のメソッドを駆使して分析することにより完成させた、著者畢生の力作。30年前の社会情勢を知らない人にはピンとこない部分はあるとは思うが、核心部分は30年経った現在でも決して色褪せない。指導教授からは「君のやり方はジャーナリスティック過ぎる」と学者失格の烙印を押された著者だが、読者からすると、だからこそ読んでいて面白い。2021/05/31

桔梗屋

1
初版は1989年。平成元年ですが、この本で採り上げられている数々の事象については、今でも鮮明に思い出せることばかりですね。ま、同時代に「少年」として生きていたのでね。そして30年の時が流れ去っても、その本で提起された数々の問題は、依然として「今」の問題であり、優れた文明批評の書は時代を経ても古びない、ということがよく分かります。自分の身を顧みても「なんでこんな老耄がこねこぬいぐるみに心癒されてるかな…」としばしば思うし。人は皆、心の中に「乙女回路」を持ったまま、生き辛い憂き世を生き延びているのだなあ、と。2020/04/03

ミスター

1
「少女」とは具体的な少女を指す言葉ではなく、生産者ではなく消費者になった日本人を指す言葉だ。誰もが消費者であり、生産者である時代の中で人はいかに生活し、大人になるのか。エピローグで大塚英志は少女の判断軸となる「かわいい」と「かわいそう」の相似性を指摘しているがこれが本当に鋭いと思った。卑近な例だがネットの一部で言われている「キモい金のないおっさん」もそれである。キモくて金ないおっさんはかわいいのだ。言いかえれば彼らは「少女」にほかならない。その点でキモ金問題は「労働者」の問題ではないのだ。2020/01/14

三柴ゆよし

1
本書は別に大塚英志のロリコン趣味の結晶、というわけではない。彼の言う「少女」とはすなわち今日的な日本人の「非生産性」をあらわす記号である。朝シャン、変体少女文字、制服、おまじないといった不可解な「少女文化」を「かわいい」というキーワードを軸に読み解いていく。いかがわしい。そして、あまりにジャーナリスティック。けど、民俗学とは本来の立脚点からして結構いかがわしいものなのだ。その意味では、「少女民俗学」って案外正道に近いものなのかもしれない。2009/08/16

ぴーっち

0
一昔の本とは思えない新鮮な少女論。2013/01/02

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