出版社内容情報
本書はプログラミングとは何かをイロハから解説し、多くの人が持っている幻想を打ち砕き、本当に必要な本質的な教育内容を提示する。
内容説明
2020年、プログラミング教育必修化に向けて問う。キモは、プログラミングではなく「プログラミング的思考」。
目次
1章 プログラミングとは何か?(IT稼業は陰陽師;プログラム=コンピュータへの指示を書き連ねた文書 ほか)
2章 プログラマとは何者か?(天才プログラマの神話;重要なのはアイデアと実製品の距離の近さ ほか)
3章 IT企業が求める能力とは?(IT企業とは何か;7段階のスキル/プレタポルテとオートクチュール ほか)
4章 プログラミング教育の実際(教員にかかる負担とプレッシャー;民間企業が行っているプログラミング教育とは ほか)
5章 求められる能力と教育(情報システムのブラックボックス化を阻む;プログラミング的思考=社会で生き抜く力 ほか)
著者等紹介
岡嶋裕史[オカジマユウシ]
1972年東京都生まれ。中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了。博士(総合政策)。富士総合研究所勤務、関東学院大学経済学部准教授・情報科学センター所長を経て、中央大学総合政策学部准教授・国際情報学部開設準備室副室長。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えちぜんや よーた
96
「プログラミング的思考」とはかなりチャレンジングだ。19世紀半ばの明治開闢以来、学校とは国民皆兵と殖産興業のために「管理統制をたたきこむ機関」であるからだ。体育の授業や運動会で今だに行われている組み体操や行進訓練などはその名残である。小学生が問題を解決するためにプログラミング思考を身につけてしまったら、「運動会をやらない」という選択肢もありうる。子どもと文科省・学校・先生の間で相反する思考になった場合、後者は「大人のいうことは黙って聞け」と気合いで乗り切るのだろうか。ぜひ両者のバトルを見たいものである。2019/07/16
シン
24
コーティングの教育は必要なし。 プログラミング的思考の教育は必要。 という内容。 (そういう意味でこのタイトルはなんとも微妙。 売るためかとも思うが、 冒頭で上記のことを説明しているし) 昨年からこの手のプログラミング教育の本はけっこう読んだゆえ、 目新しい主張は特になかったが、 よくまとまっていて読みやすい。 良書。2019/03/11
haruka
20
プログラミングの技術の教育は要らないが、プログラミングを通して論理的思考力を鍛えることが大事というのが著者の主張。空気を読んでくれない機械(PC)と対峙し、苦しみ試行錯誤するうちに論理的思考力は育つはずだと。それはどうなのかなぁ…小中高の先生が何かふわっと教えたところで子供がその境地まで頑張れるとは思えない。それよりも「これからの時代、プログラミングが何であるかも知らない者が、アイデアを立案して成功することはできない」という主張が響いた。プログラミングを教わって好きになる少数の子供を拾うことに意味がある。2023/08/09
大先生
15
プログラミング言語やコーディング(狭義のプログラミング)の教育はいらない!しかし、プログラミング的思考(論理的思考能力、問題解決能力、プロジェクトマネジメント能力、コミュニケーション能力)は重要!という内容でした。また、SEとか、プログラマ、ITエンジニアのニュアンスの違いが大まかに理解できます。スティーブジョブズは、アメリカ人は全員プログラミングを学ぶべき。全員が弁護士になる必要はないけど、ロースクールに通うことは人生に役立つはずというのと同様。と言ったらしいですが、その程度にしか役立たないのかと…苦笑2020/07/13
Ryo
12
プログラミングを勉強しようと思ってたところに、この題名。思わず手に取る。プログラミング教育と言うと、多くはプログラムを書く技術(コーディング)だけに注視してしまうが、コーディングは全行程の末端の、儲からないところなんだぜー!から始まる。プログラミング教育で大切な事は、論理的思考力と問題解決能力。そして、コミュニケーション能力である。PCと言う生物ですらないモノを使役して、問題を解決させる思考法こそが肝だ。技術はあくまで手法でしかない。人文系の課題設定能力以上の能力が無ければ、手法に何の価値もない訳だ。2019/02/26