光文社新書<br> もうダマされないための「科学」講義

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光文社新書
もうダマされないための「科学」講義

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334036447
  • NDC分類 404
  • Cコード C0236

内容説明

科学とはなにか?科学と科学でないものの間は?科学不信はなぜ生まれるのか?科学を報じるメディアの問題とは?科学を上手に使うには?―学校が教えてくれない科学的な考え方を、稀代の論客たちが講義形式でわかりやすく解説。3・11以降の科学に対するモヤモヤがきれいになくなる一冊。

目次

1章 科学と科学ではないもの(「科学っぽいもの」を疑ってみる;科学を装う科学ではないもの ほか)
2章 科学の拡大と科学哲学の使い道(科学の領域から科学がはみ出すとき;「ローカルな知」と「モード2科学」 ほか)
3章 報道はどのように科学をゆがめるのか(「生活に密着した科学」への誤解;エコナ問題とはなにか ほか)
4章 3・11以降の科学技術コミュニケーションの課題―日本版「信頼の危機」とその応答(「想定外」を想定する社会へ;「信頼の危機」という問題―BSEの衝撃 ほか)
付録 放射性物質をめぐるあやしい情報と不安に付け込む人たち(放射性物質をめぐるあやしい情報;不安に付け込む人たち ほか)

著者等紹介

菊池誠[キクチマコト]
1958年生まれ。大阪大学サイバーメディアセンター教授。専門は学際計算統計物理学

松永和紀[マツナガワキ]
1963年生まれ。サイエンスライター。2011年に食に関する科学的に妥当な情報を収集・提供する消費者団体を設立し、ウェブサイト「FOOCOM.NET」を運営する

伊勢田哲治[イセダテツジ]
1968年生まれ。京都大学大学院文学研究科准教授。専門は科学哲学・倫理学

平川秀幸[ヒラカワヒデユキ]
1964年生まれ。大阪大学コミュニケーションデザイン・センター准教授。専門は科学技術社会論(科学技術ガバナンス論、市民参加論)

飯田泰之[イイダヤスユキ]
1975年生まれ。エコノミスト、駒澤大学准教授。(株)シノドスマネージング・ディレクター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rosetta

22
2011年9月の出版だから3.11の影響とか後遺症が強く残っている。1章「科学と科学でないもの」では二セ科学が扱われ、2章「科学の拡大と科学哲学の使い道」では事実解明的なモード1科学と応用実践的なモード2科学と言う分類を知る。3章「報道はどのように科学を歪めるのか」では遺伝子組み換え作物をテーマに今のコロナ騒ぎにも通じる報道の扇動的傾向を、4章「3.11以降の科学技術コミユニケーションの課題」では原発の安全性を語って失った信頼を回復する為の科学のあり方を取り上げる。なかなか有意義なセミナーであった。2022/03/23

マーム

22
花王のエコナに発がん物質が含まれていたとして出荷停止になりましたが、では天然のものは大丈夫かというとそうでもないらしい。何しろ未だに新しく見つかる成分もあるようですから。そこで思い出したのが以前殻付きのピスタチオが大好きで食べていたのに、これに発がん性物質が含まれると報道されてからというものピタリと止めてしまった自分の行動。報道を額面通りに受け取ったわけですがその行動が正しかったのかどうか?程度問題だったのではと今にして思う。リスクはゼロにできないので、分散させるべきなんです(P36)という言葉が心に残る2011/12/19

テツ

20
「ネットで辿り着いた誰にも知られていない真実」的なものに容易く騙されてしまう方々を見かけるコロナ禍の今日この頃。最近のコロナウイルスやワクチンに限らず、健康や食品といった身近にあり生きていく上で決して避けては通れない事柄について何の裏付けもない非科学的な戯言を捲し立てる人間も、それに騙されてしまう人間も昔から星の数ほど存在していた。最低限の教養と知識を一人一人がもち、与えられた情報を鵜呑みにせず精査するワンクッションの余裕が絶対に必要だ。科学は万能ではないけれど、胡散臭い妄言の二万倍は信用できる。2021/07/16

たくのみ

12
「朝食を食べると頭がよくなる」という文部科学省のチラシは、「テレビを見ていると健康になる」と同じ「怪しい」科学。「マイナスイオン」「ホメオパシー」「水からの伝言」「ゲーム脳」「EM菌」「100匹目の猿」疑似科学がこんなにあふれていたのかとおどろく。わかっていて楽しむならいいけど、情報が拡散した途端、悪意すら感じる変化を始める。もうけのためであれ、善意であれ、加担してしまうSNSやマスコミ。検証したり選択する鋭い目と、惑わされない強い気持ちが大切なのだ、と感じた。2015/05/03

たこやき

11
菊池氏、松永氏、平川氏については過去に著書を読んだことがあるためか、おさらいの気持ち。その中で、伊勢田氏の文章が印象に残る。「真実の追究」という、伝統的な科学のあり方が、産学協同、公的資金の導入などにより、その枠から外れつつある。その期待にどう応えるのか? また、疑似科学とどう区別するのか? という問いは興味深かった。疑似科学との関係などは菊池氏の、それを防ぐための基準作りは平川氏の、それぞれの内容と関連しており、ここが一つの核であるよう私は思う。2011/11/05

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