光文社新書
指揮者の仕事術

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  • サイズ 新書判/ページ数 268p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334036041
  • NDC分類 761.9
  • Cコード C0273

内容説明

弦が切れる、打楽器が床に落ちる、管の内部に水蒸気が詰まる、オペラ歌手が歌を間違える…そんな時こそ指揮者の出番です!現役指揮者だから語れる「自ら音を出さない音楽家」のリーダーシップ論。

目次

第1章 「攻撃と守備」から考える―危機管理という仕事
第2章 聴こえない音を振る―音を出さない演奏家
第3章 リハーサルこそ真骨頂―プロを納得させるプロ
第4章 「正しく直す」って何だろう?―魅惑の「ズラシのテクニック」
第5章 言葉に命を吹き込む仕事―「第九交響曲」の魂を訪ねて
第6章 片耳だけで聴く音楽?―野生の両耳/知性の利き耳
第7章 「総合力」のリーダーシップ―指揮者ヴァーグナーから学ぶこと
終章 「夢見るちから」を生かすために

著者等紹介

伊東乾[イトウケン]
作曲家=指揮者。ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督。東京大学大学院情報学環・作曲=指揮・情報詩学研究室准教授。東京大学理学部物理学科、同修士課程、同総合文化研究科博士課程修了。第一回出光音楽賞ほか受賞。創作・演奏の傍ら脳認知生理学に基づく音楽表現の国際基礎研究プロジェクトも推進する。『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社文庫)で第四回開高健ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハッシー

56
★★★☆☆ 知人の本棚から頂いた新書。何をしているか謎な指揮者について知りたいと思い、手にとった一冊。指揮者は会社の社長と同じで、演奏家集団の持つ力を百倍にも千倍にも伸ばすことができる存在であり、その仕事には「総合力」が求められる。指揮者は音を奏でるわけではないが、冷静な司令塔として演奏中に発生するあらゆる種類のアクシデントを瞬時に解決することが求められるし、音楽的なメカニズムについてきちんと説明できる力量も必要。また、調律方法が異なるピアノとヴァイオリンに習熟しておく必要があるというのも納得。2023/05/11

メタボン

28
☆☆☆★ ワーグナーがここまで音響のことを考えていたのは知らなかった。音を出さない指揮者は「休符」を振るというのも納得。バーンスタインが演奏者たちにかける言葉のマジックも興味深かった。純正調の古楽合奏が濁りなく気持ちよく響く理由もうなずけた。2017/02/13

ごへいもち

27
読友さん御紹介本。「リズムが揺れる」程度は知っていても音程をずらすとか、知らなかったことがたくさん。この著者もすごいな。母子家庭(とはいっても親戚に音楽家が多く小さいときからそういう面では恵まれていた)から東大へ。それも音楽のために?物理を選ぶ。25歳で出光音楽賞を、41歳で地下鉄サリン事件周辺を取材して開高健ノンフィクション賞も受賞。…( ゚ ρ ゚ )2016/05/25

さきん

26
指揮者の役割を科学的な視点から解き明かす。著者は東京大学で物理を専攻し、その科学的な視点から指揮者の存在意義を明らかにしようと研究を続けてきた。CDなどの録音からわからないライブのトラブルや調和を上手く対処して取りまとめる役割が指揮者にあり、その歴史の重みと重要さを感じた。最後の第九とワーグナーのバイロイト劇場の解説も非常に論理的でわかりやすかった。今まで、マーラー、ワーグナーを敬遠していたが、それは、音が立体的に聞こえていなかったかもしれないと思った。2017/02/08

和草(にこぐさ)

14
ビジネスに繋がる仕事術ではないが、指揮者の仕事がよくわかる一冊。先日、第九聴いてきて、合唱・オーケストラ・ソリストをまとめあげる指揮者は大変なんだと改めて思わされました。2014/12/12

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