光文社新書<br> 名ばかり大学生―日本型教育制度の終焉

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光文社新書
名ばかり大学生―日本型教育制度の終焉

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  • サイズ 新書判/ページ数 197p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334035396
  • NDC分類 377.21
  • Cコード C0237

内容説明

21世紀の大学生は、70年代の暴走族レベル?入試問題や教育関連の統計データの分析から、新たな視点で教育問題に対する処方箋を提示する。

目次

1章 学力は本当に低下しているのか?(学力の現状;大学生の増員と少子化;二一世紀の大学生は、七〇年代の暴走族レベル;定員を絞ればいい?)
2章 競争の激化は何をもたらすか(狭き門の問題;管理教育;荒れる女子高生;いびつな競争のかたち)
3章 「学ぶ意欲」を奪うシステム(受験の現代史;絶望的な学力格差)
4章 学力日本一・秋田の大学進学実績はなぜ伸びないのか?(秋田は成功事例なのか;勉強をやめる高校生;難しい試験の意義は?;奇妙な論理、奇妙な大学生)
5章 日本の大学システムの問題点(名ばかり大学生は今日も行く;まとめと展望)

著者等紹介

河本敏浩[カワモトトシヒロ]
1967年愛知県名古屋市生まれ。名古屋市立向陽高校を経て同志社大学法学部政治学科卒業、同志社大学大学院文学研究科新聞学専攻修士課程修了。社団法人全国学力研究会理事長。東進ハイスクール講師。2001年から講演活動を始め、現在、高校生、教員、保護者に対して年間五〇以上の講演を行い、好評を博している。08年より(株)学習研究社、新教材『マイガク』製作チームリーダーを務め、学力格差の是正にも日々取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レモン

42
大学生が勉強をしない、学力が低下している、と教授らは嘆くが、自分たちが入試制度を変えたり基礎学力をつけるための対策を取ったりしないから、とのこと。該当世代かどうかはさておき、比較的若い世代がミスしただけで「ゆとり世代が〜」云々と責められることにずっと違和感を感じていた。原因がゆとり教育にあったとしても、その世代に生まれた人に罪はない。また、生まれた世代の人口により、大学入試の難易度は変わる。センター入試など変わったらしいが、合理的で底上げを図るような制度改革はまだ先なんだろうな。 2022/02/23

Nobuko Hashimoto

17
データや資料をもとに大学生の学力低下の背景を浮かび上がらせ、その原因と言われることの多い「ゆとり教育」に対する批判を見なおそうと試みる本である。(「ゆとり教育」そのものを分析するものではない)。個々の主張は精査しなくてはいけないだろうが、「俗説」とは違う観点からの分析が興味深かった。大学入試と大学教育のあり方を変え、大学生が大学で学ぼうとするように仕向けること、特に学生の成長にもっとも影響がある初年次教育を重視すべきだという点には、強い共感と責任を感じた。2015/02/17

17
結構耳が痛くなるようなことが多かった。下位の学力に位置する人間が行くのは結局自分を取ってくれるような、これまた下位の大学。定員を削ってレベルを上げるより、学生をたくさんとって経営を成り立たせる。負の連鎖、悪循環で終わりが見えてこなくて果てしない。まさに自分がゆとり世代なので、「ゆとり世代は、」「これだからゆとりは。」とか実際使われることは多い気がする。2013/04/09

gogo

12
大学で勉強しない学生が多い問題を介して、日本の教育問題を論じた新書。大学入試に関する指摘(だけ)は、さすがは予備校講師で、示唆に富み興味深かった。特に、①1970年と2008年の東大入試問題を比較すると、明らかに2008年の問題が難しい。②同じ評論文が出題された桜蔭中と和歌山大の国語の入試問題を検討すると、前者のほうが難しい、との点には驚いた。これらの点から、上位層の入試はゆとり時代も含め難化してきたことと、近年は上位層と中下位層の学力格差が拡大していることが論じられている。2016/05/23

有沢翔治@文芸同人誌配布中

11
大学生の学力が低下している。ゆとり教育が原因だと巷間、囁かれているが本当にそうなのか。  日本では世界でも珍しい大学制度を取っている。それはたった一度の学力テストで入学可能で、簡単に卒業ができるという点である。しかもその学力テストの問題が一部、中学入試にも出ているのだ。つまり優等生と劣等生の篩分が早々からされている。  そればかりではない。経済力も学びを大きく左右している。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51508071.html2019/10/07

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