内容説明
「強さ」ばかりに注目すると、アメリカの実態はわからない。「弱さ」に焦点を当てると、超大国の意外な一面が見えてくる。本書は歴史的な政治経済摩擦を事例に挙げながら、アメリカの弱点を探る。そして、どうすれば「小が大を呑む」ことができるのかを検証する。友好・同盟関係を悪化させることなく、時にはNOと言い張り、時には相手を操るための戦略とは。
目次
はじめに “弱小国”からアメリカが見える!
第1章 ナンバーワンとしてのアメリカ?
第2章 アメリカを操るために、やってはいけない4つの鉄則
第3章 アメリカにNOというために、その5つの鉄則
第4章 アメリカを「動かす」ための5つの鉄則
第5章 日本もアメリカに負けなかった!
各国基礎データ表(日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、NZ)
著者等紹介
櫻田大造[サクラダダイゾウ]
1961年長野県生まれ。シアトル大学教養学部政治学科および上智大学外国語学部英語学科卒。トロント大学大学院政治学修士課程修了(MA)。博士(国際公共政策、大阪大学)。(株)日本長期信用銀行行員、徳島大学助教授、ニュージーランド戦略研究センター研究員、トロント大学客員教授などを経て、関西学院大学教授。信越放送(SBC)ラジオの国際問題コメンテーター。専門は国際関係論、比較外交政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブチコロン
2
メディアの影響か、米国に追従しているイメージのある日本だったが、実は意外と対米交渉に「負けてはいなかった」。NZ、メキシコ、カナダとは世論や米国内事情、地理的戦略など異なる様々な要素があり、一概にはいえないところだが、それが逆に興味深い。アメリカに敗北感を与えずに勝つ―まだしばらくアメリカの操縦は必要そうなので、非常に勉強になった。2010/01/05
Humbaba
1
国力だけで考えれば、アメリカは圧倒的であり他国は到底太刀打ち出来ない。しかし、交渉の方法次第ではアメリカを相手に回しても自分たちの要望を叶えることも不可能ではない。完勝するというのはなかなか望みにくいし、そもそも一度きりの関係というわけでもないのでそれを目指すのは正着ではない。上手く自分たちの願いを認める方向に持って行くことが有効な手立てとなる。2015/01/04
こにいせ
1
これは面白い!!!相対的「弱小」国家であるカナダ・メキシコ・ニュージーランドに、「しょっぱい帝国」アメリカと外交ゲームで勝つ方法を教えてもらおう!!という趣旨。重要なのは、おべっかばっかり使って、バカは適当におだてておけという類の話ではなく、時と場合によっては切った張ったの交渉を挑むということ。日本の外務省の東大中退の連中どもにゃ、同じまねは無理だろう。本書には「日本も実は負けてない」という事例もあるが、そこは評価が分かれるだろうなあ・・・・。2009/11/23
つらぬきまる
1
アメリカの「操縦方法」を、カナダ、メキシコ、ニュージーランドの例を中心に紹介。国のトップの友好度が、外交にこんなにも影響するのか…。後ろのほうには、日本の事例もあり。2009/06/17
惰性人
0
メキシコやニュージーランドといった小国がどうやって大国アメリカと渡り合い、国益を守ってきたか、現政権に勉強して欲しいところです。2011/01/17